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【 自作映像の紹介と解説(製作メモ / 1998, 2023 / Satoshi Sonoda)】
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1992〜94年の3年間、私はなぜか「ひとり(中空の)部屋に居て」日々せっせとテレビやビデオ機材を使った作品づくりにいそしんでいた。
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そうして出来上がった10本余りの中から2012年以降ネットで公開した7本に新たな説明を加え、当blog-archive『椅子物語』に流し込んだ。
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これら時代に逆行するような、ニッチでプリミティブな中間領域の "audio(聴覚) - visual(視覚)" 作品に、1975年から1990年のわずか15年間の私の音楽活動(✴︎☞)がどのような影響を及ぼしたか、定かではない。
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とはいえ、音と映像双方に関わり深い「都市のサウンドスケープ的作品」とでも呼べる作品の幾つかは、VRゴーグルを使ったり、マルチスクリーンやマルチチャンネル…で、パフォーマンスも兼ねて上映やインスタレーションを考えれば、新たな発見があるかもしれない。
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(作品や上映方法に関するコメントやアイデア、アドバイスなどあれば……ご教示下さい)
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まずは、ご覧あれ。
1. "The Perilous Night" / 1993 / 05'33" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/B-hyte6KiBY
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"The Perilous Night"(ザ・ペリラス・ナイツ/ 危険な夜)
ケージ(J.Cage)にこと寄せ 石文とテトラコルドンの夢をたぐり ひっそりと 竹林の霊安室にしのびよる。
佐倉暗渠のみちしるべに沿い 蛍光ペンデュラムと円錐俑を頼りとし 今は亡き友を訪う。
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私がビデオ制作の世界に足を踏み入れるきっかけとなったのは、映像作家の乙部(聖子)さんとのビデオ・レター「5つのドルメン」(1990 / 17分)だった。この作品はその時に使った素材の一部を、ケージの死にかこつけて編集し直したもの。
深夜の体育館地下の下足室を霊安室に見立て、ジャン・マレーよろしく此岸と彼岸を往ったり来たりする、といった光景。円錐形の「ドルメン」が象徴的な役割を果たしている。
公園の遊具や蛍光管による振り子のパフォーマンスには、なにがしかの「ミステリアスな」喚起力もあろうか…。
千葉県佐倉市の博物館近くの竹林、マーガレット・レン・タンの弾くジョン・ケージの「"Perilous Night" / 危険な夜」、小杉武久の「ニューヨーク・インプロヴィゼーション」の三つが音源としてミックスされている。
サブ・タイトルにあるcageの頭が小文字なのは、ケージ流のユーモアにならった。
2. 街はくりかえす / Songs of Encounter (1992 / 10'12" / Saoshi Sonoda )
Link(movie): https://youtu.be/WysCNlVvF7k
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演奏活動から離れ、1992年前後に作った習作。作品というより映像による音の尻取りみたいなもの。小沢昭一の影響という訳ではないが、物売りの声(Calling)が数ヶ所ミックスされている。2010年小石川図書館でのキム・ドゥスとのイベント時に一度上映したっきりである。
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都美館前彫刻 / カンカラ / 隅田川 / 鈴虫 / 青空歌劇団 / 切符きり / いわし来い / 唐辛子売り /ゴム靴修繕 / 吠えるわんこ / Ear Cleaning ~ 業平 / イヤホン-マイク / ジングルベルチップ / 蛍光管 / 炬燵 / 対話篇 / 田中トシ / 自作行燈 / アラシン / 碍子 / 小石川耳壁 / トシ耳 / 浅草復讐 / Jim Morrison Never Dead…
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参考Link:
https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2514_9317.html(物売りの声 / 寺田寅彦 〜 青空文庫)
3. サヤト・ノヴァ(1993 / 03'31" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/Asx4gQ8XKAY
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サヤト・ノヴァはアルメニアの聖人で、なかばの洞穴のシーンに挿入されている古典「あなたは真実を知っておられる」の作曲者でもある。
滝(水流)とエスカレーターのアナロジー。マンホールや地下水道、エスカレーターを彼岸あるいは何かしら「地上」と「地下」の閾(しきい)と捉えており、"The Perilous Night"に連なる。
4. "Tough bridge" / タフ ブリッヂ(1993 / 07'03" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/rhQ_NUij-O0
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1990年代の中程まで白髭橋のほど近くに住んでいた。保育園に子供を迎えに行った帰り、日が暮れるまで自転車の荷台に乗せてあっちこっちと引っぱり回した。
大鉄塔と葦原(の「すず」)生い茂る荒川べり、取り壊し中のアパート群。南千住の造船所脇にある通称「ビワ公園」などにはよく通った(缶ビールと70円のゴボウのてんぷらをポケットに押し込み、ビワの実をちぎっておやつにした)。玉姫公園での夏祭りや涙橋近くの街路での「ユビュ王」の人形劇を観に行ったりもした、さしずめ白日夢のような日々。
そんな「散歩的生活」の中で出くわした白髭橋での一光景(5分程の撮影)を編集し、イメージ・フォーラムの公募展に出品した(「ヤング・パースペクティヴ部門」で上映)。
排気ガスと騒音にまみれながらも、夏場は件の赤シャツの先輩のように橋桁の上で自身が「タフ」な「ブリッジ」となりすまし夕涼みもできようが、冬ともなると・・・。
後半の崩壊した映像は、撮影済みのビデオをCCD-V5000というSonyの8mmビデオで早送り(サーチ)しながら別の機械に録画し、それをさらにスローにして別の機械に落とすというローテク処理の結果得られた効果を採用した。
どん尻 YAMAHAのMSXパソコンによるロックっぽいミニマルミュージックはともかくとして、おセンチな自分たちの古楽風の演奏をスローのシーンに挿入したことに対しては「違うだろ〜⁈」という赤シャツの眠そうな木霊が返ってくる。
5. "tele-vision 〜 遠い幻"(1994 / 07'41" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/OhLYTIIgIjE
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一冊の教育用副読本のとあるページを繰り返しコピー拡大することで浮かび上がる偶発的な象形/デザインによるフロッタージュ的な発想のビデオアニメーション。朗読劇としてシンクロさせるサウンドトラックが無音のまま放置されている。
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発想は古典的だがイフェクターのたぐひは使ってない。個別のアニメ作品としては見所がなくはないが、展開が早すぎて欠落感があるのでリピートしたと思われる。デュープを繰り返し拡大しながらあらわれてくるフィギュアを擬人化しつつ作業を進めているところが、少し惜しまれる。エンドレスでくり返すというアイデアもあろう。
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「なぜサイレントなのですか?」と、審査員でカナダ出身のビデオアーティスト、マイケル・ゴールドバーグ。たぶん……たまたまじゃないすか?
YouTubeの動画エディタを使用したヴァージョンもある。
6. Suzu, Dancing Shrines / すず 〜 ダンシング・シュラインズ (1994 / 17'20" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/v-1DmprgNq8
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This film focuses on a collective money offering as “performance by sound and hands,” an origin of the bell of the shrine at Cock Fair (Tori-no-Ichi), and meaning of Syncretization of Shinto with Buddhism. The latter half part of the film consists of amalgam of the buzzing sounds by chanting and hitting bells from speakers, “safety slogans for ships” flattering on the bridge across the Sumida River, grind stone for metal, and air-hammer, all that results in a “musique concrete like” video clip. In terms of technique, camera shake triggered by a consumer video camera and cheap effects, slow down and acceleration, reverse, negative and positive, color correction, digital zoom, noise reduction, and over-lap were frequently used here. That’s to say, recycling of different fragments of the film apart from the naked eye.
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集団的な賽銭投げという「音と手のパフォーマンス」「映像による音の記譜実験」「鈴」の由来や酉の市における神仏習合の有りよう(☞*1)などに着目した作品。特に後半はスピーカーからうねり出す読経と鈴の乱打に隅田川の橋の上でバタつく船舶用の「安全標語」や金属用サンダー、エアー・ハンマーなどがミックス・アップされ、ミュージック・コンクレート風の(?)ビデオ・クリップに仕上がっている。
技術的には、民生用のビデオカメラやチープなイフェクトによる手振れ、スロー、アアクセラレーション(加速)、逆転、ネガ・ポジ、カラー・コレクト、デジタル・ズーム、ノイズ・リダクション、オーバーラップなどの多用による、それら全てのいわば肉眼から切り離された様々な映像切片のリサイクル、といった趣き。
「スズ / すず」の由来や詳細については(☞*2)を参照あれ。
7. [篠田昌已 act 1987](1993, 2007 / 76'00" / Satoshi Sonoda)
Link(movie): https://youtu.be/loPeztxGCco
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篠田昌已(1958.12.08 - 1992.12.09)が亡くなって随分の月日が経つ。私と彼との蜜月はそれ程長いものではなかったが、八王子の病院に薬をとりに行った際 お供を仰せつかり、お揃いの藤色渦巻き柄の夏物のシャツを買った。そのシャツに袖を通す度にあの頃(1987 - 88年当時)のことを思い出す。
工藤冬里のアップライトピアノが部屋の半分近くを占める国立葡萄園の篠田の自室(と無修正のアダルトビデオ)、下北沢で撮影を依頼された長谷川宣伝社の皆さんのこと、ア・ムジークやマヘル・シャラル・ハシュ・バズ、シェ・シズ、トム・コラ+ルナパーク・アンサンブルのピヂン・コンボなどでの篠田の演奏。チューリップ・ウォーター・パレードでの甘酸っぱい思い出、それに私の作った曲を誉めてくれ一緒に演奏したことなどなど…。
[篠田昌已 act 1987]は1993年の歿後一周年の折りに大熊ワタルの依頼で製作され、国立のキノ・キュッヘで一度きり上映したものを、2007年の全国上映企画の際に一部改訂した。当時の大方の関係者には配り終えたよう記憶するが、トム・コラまで届いたかしら(重ね重ね関係者の皆様に多謝)。
この映像集成は[長谷川宣伝社・楽隊]〔インタヴュー〕[チューリップ・ウォーター・パレード]、ラスト[西村(卓也)8ミリフィルム]からの転写を除けば「87年当時の篠田昌已の活動記録」に一見思えるかもしれないが、残された映像の企画と撮影のほとんどに関わった者として、その思いは一塩であり、選曲にもことごとく私の個人的な趣味志向が反映されている。
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[上映記録] https://chairs-story.hatenadiary.org/entry/20160907
8. 「慰霊塔 - The Pagoda of Praying / 9'39" / 1993 / Satoshi Sonoda」https://youtu.be/MpDqLFnd7MA
9. 「Forest - 私たちの森 / 15'05" / 1993 / Satoshi Sonoda」
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Ex. Shinichi Arai, Satoshi Sonoda, Yukio Saegusa at Tokyo University, December 16, 1988 −(P2)
Link(movie) https://youtu.be/4ABWmd0e2Hw---------------
(☜*1)
【 shrine − 社(やしろ) − 神社 】
当作品後半の「坊さん+竹のおみくじ」〜「スピーカー+じゃらじゃら鈴打ち鳴らし」の映像、実は、今回の主な舞台となっている東京下谷の鷲(おおとり)神社30メートル左隣、法華宗・長國寺というお寺のものです(文字の類は「亀戸天神」)。お寺では普通、鈴ではなく「鰐口(わにぐち)」という平べったくて、細い溝が鰐の口みたく横に伸びたものがぶら下がっていると思いがちですが、「今年からコレにした」ということで、とにかく91年11月の長國寺の「お酉様(おとりさま)」ではそういう事でした。
「鰐口」の音が地味で「鈴」の方がにぎにぎしいがために、祭礼時の人寄せの意味もあるのかと思いきや、くだんの鷲神社の方は明治3年に建てられており、360年前からあるとされる「鷲(わし)」をご本尊とする長國寺から、明治初年に発せられた国の神仏分離令の際に、要請上無理やり<神様>だけ別口にさせられた由。
ですから、神仏習合の時代はごく普通に鈴は鳴らされ、分離後は寺の方は鈴を外したという事情があるそうです(ご住職の話)。
そういうことも考慮に入れますと、我々の現在のおおかたの常識を裏切って、寺における「鈴」と「鰐口」の隣り合わせは、とりたてて不思議ではないということになります。
というわけで、今回の作品では<Shrine>に当面「s」をつけることで、元来荒ぶる神で後に学業の神様に転じた(亀戸の)「天神さま」を初め、現在は主に商売繁盛の御利益を担っている諸々の「神様・仏様」を、一緒くたにミックス・アップし、映像上での神仏融合をたくらんでいます。
「神仏のラッシュアワー」と呼ばれ、良くも悪くも人々が現世利益にまみれていた江戸後期に思いを馳せながら「神も仏もあるものか」という気分に浸るのもまた、一興です。
(☜*2)
【 鳴石(なりわ)と 鈴生(スズなり)】
まずは、褐鉄鉱という多少耳慣れぬ言葉から始めたいと思う・・・。“褐鉄鉱”とは針(しん)鉄鉱または鱗鉄鉱が水を吸着したもので、自然界での水酸化鉄の集合体の総称。沼沢(しょうたく)・湖沼・湿原・浅海底等で含鉄水が空中や水中の酸素により、またバクテリアの作用により、酸化・中和し、水酸化鉄として鉱泉の流路に沿って沈殿したものである。さらに鉄バクテリアが自己増殖して細胞分裂を行い固い外殻を作ったものが褐鉄鉱の“団塊”で(数ミリから数メートルのものまで)水辺の植物である葦(あし)・茅(かや)・薦(こも)などの根を地下水に溶けた鉄分が徐々に包み、根が枯死し、周囲に水酸化鉄を主とした固い外殻ができる。こうしてできた団塊の内部が、滲透した地下水に溶解し、内核が脱水収縮して外壁から分離し、振るとちゃらちゃら音の発するものができる。これを今は鳴石(なりわ)・壺石、あるいは高師小僧(たかしこぞう)と称し、太古は「すず」と称していた。自然にできた鈴である。沼沢・湿原に生える葦・茅・薦のような植物の根に好んで形成されるのは、こうした植物の根から水中に含まれている鉄分を吸収して成長するからである。
さらに、かつて葦・茅・薦のような夭本(かほん)植物自体をひろく「すず」と称していた。便宜的には、植物の「すず」、鉱物の「スズ」としておこう。
湿原の葦・茅・薦の根に球・楕円・冠状になった褐鉄鉱の団塊が密生した状態が「鈴生」(スズなり)である。
弥生時代において、人々は狩猟・農耕具の材料として鉄を求めること切であって、そのため製鉄の貴重な原料である「スズ」の生成を待ち望み、生成を促進させるために呪術をおこなった。
つまりその「模造品」を作って「スズ」のできそうな湖沼を見渡す山の中腹の傾斜地で、これを鳴らしては仲間の「スズ」の霊を呼び集め-後の湛(たたえ)神事-、あるいは地中に埋葬して同類の反映を祈った。一種の類感呪術である。それが鈴であり鐸(さなぎ=おおすず)であった。神霊の声として聞かれた「スズ」。
「宮廷鎮魂祭」などにおいて鈴や鐸を振り鳴らして鎮魂(招魂、タマフリ)の祝儀とするようになったのは、ずっと後の時代である(真弓常忠 - まゆみつねただ-「古代の鉄と神々」を再構成)。
【 New Atlantis / フランシス・ベーコン】
「音響研究所もあります。あらゆる音響と、その発生方法を試験し実験するところです。あなたがたのところにはない和音があり、四分の一音とそれ以下の運音などです。あなたがたの知らないいろいろさまざまな楽器があり、あなたがたのところのものより美しいものもあります。優雅で美しいいろいろな鐘や鐘楽もむろんあります。小さい音を大きく深いものにして出します。同様に大きな音を細く鋭くします。いろいろな震音やさえずりのような音を出します。それは元の形では破れていないものであります。あらゆる文節の音や文字の音や、また獣類や鳥類の声や調べを出したり模倣したりします。耳にあてると聴力を非常に増すような、ある補助器もあります。いろいろふしぎな人工のこだまもありまして、声をいく度も反射し、まるでそれを投げつけるようなものもあります。また、声をきたときより高くしてはねかえすものもあり、いっそう鋭くするものやいっそう深くするものなどがあります。そうです、声を、受けたものとはちがう文字の音や文節音にしてかえすものもあります。筒や管で妙なふうに曲がった線や、距離にしたりして、音響を伝える方法もあります」
*
フランシス・ベーコン『ニュー・アトランティス』New Atlantis(日本の寛永元年に当たる1624年頃に執筆された)/1970 中央公論社「世界の名著」より。成田成寿訳
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(☜✴︎)
【 耳抜き / mimi-nuki ~ Secondary Works of Satoshi Sonoda,1982 - 1989 】(Uploaded audio, Reviews, etc.)
https://chairs-story.hatenadiary.org/entry/2022/12/21/032211
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P.S.F. Records: PSFD-203
Country: Japan
Released: Jun 25, 2012 / 2012年06月25日
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(1:11:07 / full album)
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(discogs)
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https://www.facebook.com/MIMI.NUKI.2012.06.25(facebook)
【 すべてはもえるなつくさのむこうで 〜 Early Works Of Satoshi Sonoda, 1977 - 1978 】(Uploaded audio, Reviews, etc.)
https://chairs-story.hatenadiary.org/entry/2022/12/21/031159
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P.S.F. Records: PSFD-186
Country: Japan
Released: Feb 20, 2009 / 2009年2月20日
Format: CD
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(1:15:27 full album)
…
https://bit.ly/3hHRtDQ(discogs)
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【 自作映像の紹介と解説(製作メモ / 1998, 2023 / Satoshi Sonoda)】
https://chairs-story.hatenadiary.org/entry/2023/04/17/
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【 椅子物語 】(chairs story)
[Contents]
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/20160909/1473401180
[Archives]
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/
[格納庫 / Sources]
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/
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作成: 2023.04.18 更新: 2023.04.23
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【 耳抜き/mimi-nuki ~ Secondary Works of Satoshi Sonoda,1982 - 1989 】(Uploaded audio, Reviews, etc.)
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P.S.F. Records: PSFD-203
Country: Japan
Released: Jun 25, 2012 / 2012年06月25日
Format: CD
……
(1:11:07 / full album)
……
(discogs)
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https://www.facebook.com/MIMI.NUKI.2012.06.25
(facebook)
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ジャケット案 - 1
ジャケット案 - 2
宣伝ビラ - a
宣伝ビラ - b
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◉ レコーディングデータ(In Japanese)
1. Noise Rose 〜<自動錯語機> のドキュメンタリー / Documentary of Auto-Onomatopoeia
Date: 1982年
Location: 千葉県馬橋自宅
Event title: 『Infecund Infection / 賣國心』(1982年7月, ピナコテカレコード)
Performer: 園田佐登志 (radio, records, tapes)
Recorded By: 園田佐登志 (2-track Reel-to-reel)
2. Yumbo / ユンボ(extract)
Date: 1983年10月23日
Location: 和光大学体育館
Performers:[ Vel ] 園田佐登志 (tapes) 藤井 博通 (film), 大熊 亘 (ep,ukulele)
Recorded By: 実行委員会 (stereo compact cassette)
3. The Painted Bird (Dedicated to Augustus Pablo)
Date: 1987年4月2日
Location: 吉祥寺 JAV 50 hall
Performers:[ Vel ] 上中 恭 (vn)
園田佐登志 (g), 本山 正明 (cello)
大熊ワタル (g), 木村 真哉 (ds), 西村 卓也 (bs), 冷水ひとみ (harmonium) - from Syzygys
Recorded By: 樋口 泰人 (monaural 8mm VTR)
4. Sound Event
Date: 1987年5月20日
Location: キッド・アイラック・ホール
Performers:[ Vel ] 天沼 ロリー (toy piano), 本山 正明 (cello), 阿世知省吾(recorder), 園田佐登志(tapes), 大熊 亘 (cl), 香村かをり (胡弓 / japanese rebec)
Recorded By: 小山 博人 (stereo compact cassette)
5. 朝と昼と
Date: 1987年8月4日
Location: 荻窪 グッドマン
Event title: 大貧民キャバレー 真夏の三夜
Performers:[青空歌劇団] クロマルトン (vo, dance), あまぬまろりぃ(vo, dance)
昇天フィボナッチ=大熊ワタル (pf)
Words: 青空歌劇団
Recorded By: 園田佐登志 (monaural 8mm VTR)
6. シダ / Shida
Date: 1987年9月4日
Location: 代々木 Lazyways
Performers:[ Vel ]ロリー (vo), 本山 正明 (cello), 木村 真哉 (ds), 西村 卓也 (bs)
大熊ワタル (ep), 園田佐登志 (g)
Event Title: マルティプル・マニアクス
Recorded By: 樋口 泰人 (monaural 8mm VTR)
Link(audio): https://youtu.be/5OZayQJkgls
(06:48〜Shida / シダ)
7. Summer Landscape(extract)
Date: 1988年11月5日
Location: 埼玉大学
Event title: 五十六億七千万秒の情事 /「辺境の歌歌」 (11/3~11/6)
Performers:[ カルマン・アンサンブル ] 石田 孝 (pf), 杉本 真弓 (vn)
伊地知一子 (recorder), 吉村安見子 (harmonium), 園田佐登志 (tapes)
Recorded By: 小堺 文雄 (stereo compact cassette)
8. 耳抜き/ mimi-nuki
Date: 1989月6月10日
Location: 新宿ピット・イン
Performers:[ 黒田 京子ORT ]
黒田 京子 (pf, synth), 池田 篤 (a.sax, s.sax), 村田 陽一(trb), 島田 康雄 (bs)
貴田 薫 (ds), 大友 良英 (turntable)
Arrangements: 黒田 京子
Recorded By: 北里 義之 (stereo compact cassette)
9. Funeral(extract)
Date: 1989年12月17日
Location: 東大駒場キャンパス•北寮前広場
Event title:「NOISE IN X-es」
Performers:[Vel]
園田佐登志 (tapes, g), 石田 孝 (ep)
松井亜由美 (vn), 吉村安見子 (harmonium), 芝井 直実 (a.sax)
伊地知一子 (t.sax)
Recorded By: 小山 博人 (stereo compact cassette)
Tracks 1, 3, and 5 to 9 composed by Satoshi Sonoda [園田佐登志]. Track 4 is based on a 12th century traditional tune.
整音・制作協力: 米本 実(米本電音研究所)
解説 / パラレルハウス・広告デザイン: 園田佐登志(1992 / 2012)
イラストレーション: 竹内いすゞ
英訳:アラン・カミングス
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◉ Recording Data(In English)
1. Noise Rose ~ Documentary of Auto-Onomatopoeia
Date: 1982
Location: Sonoda’s house, Mabashi, Chiba
Event: Infecund Infection / Baikokushin – Namakojoshikosei (July 1982, Pinakotheca Records), with Toop & Beresford, Toshiharu Osato, Mada, P.P.P, ICE9, ONNYK, A-Musik, Hindu-Hurricane, etc.
Performer: Satoshi Sonoda (radio, records, tapes)
Recorded By: Satoshi Sonoda (two-track reel-to-reel)
2. Yumbo (extract)
Date: October 23, 1983
Location: Wako University Gymnasium, Machida, Tokyo
Event: Anti-Japanese Independent, with Mint Chocolate, Mizuko Brothers, Skeleton Crew, The Gagarin, Real, Puls-Schlag, A-Musik, John Duncan, Yatasumi, Takafumi Sato, Seiji Shimoda, etc.
Performers: Vel – Satoshi Sonoda (tapes), Hiromichi Fujii (film), Wataru Okuma (el-p, uke), Tori Kudo (g), Masami Akita (el-perc)
Recorded By: Organizing Committee (stereo compact cassette)
3. The Painted Bird (Dedicated to Augustus Pablo)
Date: April 2, 1987
Location: JAV 50 Hall, Kichijoji, Tokyo
Performers: Vel - Kyo Takenaka (vln), Satoshi Sonoda (g), Masaaki Motoyama (clo), Wataru Okuma (g), Shinya Kimura (ds), Takuya Nishimura (bs), Hitomi Shimizu (hrm, from Syzygys). Syzygys also played on the bill.
Recorded By: Yasuhito Higuchi (monaural 8mm VTR)
4. Sound Event
Date: May 20, 1987
Location: Kid Ailack Art Hall, Meidaimae, Tokyo
Performers: Vel - Rorie Amanuma (toy piano), Masaaki Motoyama (clo), Shogo Azechi (rec), Satoshi Sonoda (tapes), Wataru Okuma (cl), Kaori Komura (kokyū, Japanese rebec)
Recorded By: Hirohito Koyama (stereo compact cassette)
5. Seasons, from morning till night
Date: August 4, 1987
Location: Goodman, Ogikubo, Tokyo
Event: Cabaret of the Great Indigent – Three Nights in Midsummer
Performers: Aozora Kagekidan - Kromarton (vo, dance), Rorie Amanuma (vo, dance), ‘Ascension’ Fibonacci, aka Wataru Okuma (p)
Words By: Aozora Kagekidan
Recorded By: Satoshi Sonoda (monaural 8mm VTR)
6. Shida
Date: September 4, 1987
Location: Lazyways, Yoyogi, Tokyo
Event: Multiple Maniacs, with Aozora Kagekidan, Tama, John Duncan, Kousokuya, Maher Shalal Hash Baz.
Performers: Vel - Rorie (vo), Masaaki Motoyama (clo), Shinya Kimura (ds), Takuya Nishimura (bs) , Wataru Okuma (el-p), Satoshi Sonoda (g)
Recorded By: Yasuhito Higuchi (monaural 8mm VTR)
7. Summer Landscape (extract)
Date: November 5, 1988
Location: Saitama University
Event: A 56 Billion 70 Million Second Affair / Border Songs (Nov 3 to Nov 6), with Ché-SHIZU, Nord, High-Rise, Fushitsusha, Kousokuya, Toshi Tanaka, Tamio Shiraishi, Masayoshi Urabe, Kenichi Takeda, Tetsuo Furudate, etc.
Performers: Kármán Ensemble - Takashi Ishida (pf), Mayumi Sugimoto (vln), Itsuko Ijichi (rec), Amiko Yoshimura (hrm), Satoshi Sonoda (tapes)
Recorded By: Fumio Kosakai (stereo compact cassette)
8. mimi-nuki
Date: June 10, 1989
Location: Pit Inn, Shinjuku, Tokyo
Performers: Kyoko Kuroda’s ORT - Kyoko Kuroda (pf, syn), Atsushi Ikeda (as, ss), Yoichi Murata (tb), Yasuo Shimada (bs), Kaoru Kida (ds), Otomo Yoshihide (ttbl)
Arranged By: Kyoko Kuroda
Recorded By: Yoshiyuki Kitazato (stereo compact cassette)
9. Funeral (extract)
Date: December 17, 1989
Location: North dorm square, Tokyo University Komaba Campus, Tokyo
Event: NOISE IN X-es, with A-Musik, Shinichi Arai, Lunapark Ensemble, Kazutoki Umezu, L-Trans, Ort Project, Takashi Kazamaki, No Problem, etc.
Performers: Vel - Satoshi Sonoda (tapes, g), Takashi Ishida (p), Ayumi Matsui (vln), Amiko Yoshimura (hrm), Naomi Shibai (as), Itsuko Ijichi (ts)
Recorded By: Hirohito Koyama (stereo compact cassette)
……
・Tracks 1, 3, and 5 to 9 composed by Satoshi Sonoda. Track 4 is based on a traditional 12th century tune.
・Sound Restoration and Production Assistance: Minoru Yonemoto (Yonemoto Electroacoustic Laboratory)
・Liner Notes, Parallel House Flyer Design: Satoshi Sonoda (1992/2012)
・Illustration: Isuzu Takeuchi
・English translation: Alan Cummings
* *
◉ 曲目解説 /ライナーナーツ
(In Japanese)
1. Noise Rose ~ <自動錯語機> のドキュメンタリー / Documentary of Auto - Onomatopoeia
短波ラジオ、咽せ返るバラ 薔薇のタンゴ(Tango de la Rosa) 、「浅間山荘事件」「沖縄返還」……。文化放送が発行したドキュメンタリーEP「激動の記録 1972年」から、文脈や本来の意味を無視し、イントネーションの落差やことばが雪崩れて行くさま/速度、発声や構音のフォネミックな側面に焦点を当てカットアップ、反復したものを、2つのトラックにコラージュした。結果として、言葉遊び(オノマトペー)にもなっている。レコード盤を針で突っついたりコインを置いたりしてアームを操作したので、ボツボツッというスクラッチ音が周期的/非周期的に各所に立ち現われている。
音声文節化された、いわゆる離散量の多い発話にもたれながらも、音素がもたらす効果を逆手にとったり、同時に/別途に音声言語を手玉にとることによって逆にこの発話を解体構築するという方法であり、日常場面の音楽的な模造物(シュミラークル)や、骨格の一部が鳴筋(発音筋)の強い収縮や磁気テープ等によって理解不可能な形にされた現代の各国語の歪像/現実の場面を歪曲したもの。たとえばイントネーションのカリカチュアから連辞の滑稽な圧縮にいたる言語のパロディー達成。まさしく<言語活動の突発事>としてその舞台に立つ。なにも隠さず、示さず意味することさえない舌語り(グロソラリー)、失語症に陥った自動翻訳機の理解し難い錯語」。
アンリ・ピエール・ジュディ『だまし声 / LE Trompe-L’OREILLE』,イヴァンカ・ストイアノヴァ『声のくる道 / LES VOIES DE LA VOIX』etc.『トラヴェルス / 3~声』(1988)より再構成。
「It's Gonna Rain」(1965)後半のカオスを偏執的な例外とするスティーヴ・ライヒのテープループには、まだ、辿り着いてはおらず、弾き語りやロック・バンドという発想から完全には抜け出せきれないでいた当時の私としては、今ではスクラッチと呼ばれるしごく一般的なこの方法を70年の終わり頃、ふとしたきっかけで独自に「発見した」と思った時ときたら、まるで鬼の首を取ったような晴れ晴れしい気分でした。「こんな簡単な方法で音楽が作れるんだ、面白い事ができるんだ・・・ヤッタぜーチクショー、ざまーみろい」という、何事も人よりうまくはやれない落ちこぼれのパンクスが3コードでの仕返しギターを掻きむしり自分の心情や怒りの発散のやり方をようやくにして見つけ、かろうじて自己救出に成功したかのような、ひりひりした気持でいっぱいでした。(1992年、一部の友人達に配った4本組カセット、解説より)
*−1)*−2)
2. Yumbo / ユンボ(extract)
当時、交流のあった三者を招いたのだが、今となっては珍しいコラボレーションなのかもしれない。藤井博通のユンボ映画に反応する一部の激越な観客の様子が生々しい。当イベントには「同時代音楽」が招聘したスケルトン・クルーほか18グループが参加した。(事後に全グループの演奏を収めたカセットブックが実行委により編纂されている。)
*−3)
3. The Painted Bird (Dedicated to Augustus Pablo)
ポーランドの現代作家、イエージ・コジンスキーの同名小説からタイトルを拝借した(邦題は『異端の鳥』)。残念ながらこの曲では聞かれないが、自らリードを削り、ハリー・パーチの四三分割微分音程に基づく改造ハルモニウムを操る「微分音ポップ姉妹」シジジーズの冷水さんが、さらっとオルガンを弾いてくれた。本山のバーカッシヴなチェロも秀逸であるし、大熊ワタルのナイスなダブギターを聞くことができるテイクは世界でただこの一曲しかあるまい。高円寺のレンタル・レコード・ショップ「パラレルハウス」協賛の一連の企画。共演はシジジーズ。
*−4)*−5)
4. Sound Event
デイヴィッド・マンロウ等の影響もあり、1987年当時の私は遅ればせながら、所謂、ヨーロッパの中世・ルネッサンス音楽に傾倒し、お気に入りの録音をLP盤から譜面に起こし、日本の胡弓をレベックに見立てたりしては、気儘な演奏にいそしんでいた(胡弓の源流を文献で辿るとラベイカという言葉に行き当たる、と云う小島美子女氏の卓見に辿り着いただけで小躍りするようなナイーヴさだった)。その後、韓国朝鮮の伝統音楽に傾斜していった香村カヲリがケンガリを叩く傍ら胡弓を弾いている。大熊のチンドンに回帰していくようなクラリネットの節回しにも注目したい。前半に録音した演奏を後半にライヴ・コラージュしているが、あらかじめメンバーにそのことは、伝えていない。12世紀のアノニマスな小品によるユニゾンともじりの案曲。
5. 朝と昼と
1987年のある夏日、帰宅すると、イコライズされたピアノ伴奏の後にゆらゆらとゆらめく音声が、遥か遠くから聞こえてくる物売りの声(Calling)のように、突然耳に飛び込んで来た。この曲を是非やりたいので・・・ついてはビデオも撮って欲しい、との留守番電話だった。8曲目の「耳抜き」同様、予測のつかぬ詩や曲の窯変、演奏・パフォーマンスに対して、今でも、驚嘆と感謝の気持ちで一杯だ。
*−6)
6. シダ / Shida
ルナパーク・アンサンブルのロリーにボーカルをお願いした一曲。コクシネルを「研究した」という、その歌声はことのほか説得力があるのではなかろうか。気迫のこもった本山のチェロのフレージングも特筆すべきだ。「Multiple Maniacs」は、光束夜の金子寿徳と共同で立てた企画だが、金子がなぜそのようなことを私に持ちかけたかは、淡い微かな記憶とともに霧散してしまった。共演はジョン・ダンカン(テープ参加)、たま、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、光束夜、青空歌劇団。
*−7)*−8)
S h i d a / シ ダ
ゆがんだ 硝子窓に 朝焼けの光が
凍り付いた Shida のように
かたく ふるえる
ゆがんだ 硝子窓に 赫い風が
ちぎれた Shidaのように 遠く舞う
ゆがんだ 硝子窓に 夕暮れの闇が
忘れられた Shida のように
かすかに ゆらめく
7. Summer Landscape(extract)
そろばん教室、トゥバラーマ、天気概況などを伝える中波放送と自治体公害無線の信号が終わりの方でコラージュされている。
*−9)*−10)
8. 耳抜き/ mimi-nuki
『耳抜き』はそもそも、この録音の直前に風巻隆が企画し、ジョン・ゾーン、黒田京子、大友良英、広瀬淳二、天沼ロリー、クロマルトン、谷川マリ、荒井真一、園田、それに風巻本人が参加した「Mock オーケストラ」に持ち込まれた曲だった。その後、私は2008年まで音楽活動を中断することになるのだが、後日貰ったプログラムにスティーヴ・レイシーやニノ・ロータ、ハンス・アイスラーの間に挟まれた自分の名前を発見した時は、場違いな光景とあり余る光栄とで卒倒しそうになった。
*−11)*−12)
9. Funeral(extract)
「シロカニペ ランラン ピシカン コンカニペ ランラン ピシカン / 銀の滴降る振るまわりに、金の滴降る降るまわりに」。1922年に19歳で生涯を終える直前、知里幸恵はアイヌ神謡集の日本語訳を完成させた。1983年に『銀の滴降る降る』 というタイトルでNHK-FMのステレオドラマの題材にもなり、その後、1996年には津島佑子がフランス語に訳し、その流布には、かのル・クレジオが一役買った。また、英訳、韓国語訳もある。
『Funeral』は、そのアイヌ神謡集を題材とした作品の抜粋で、駒場の演奏では、竹の音具、鈴、声、足踏みオルガン、アルト・サックス、テナー・サックス、ヴァイオリン、リコーダー、ギター、ピアノ、テープという編成だった。動物や人の音声や構音をテーマにした即興演奏に始まり、E・サティの「干からびた胎児」のパラフレーズに無限カノン風の葬送のテーマが重なり、リードオルガンの通奏低音を従えた琉球音階によるミニマル・ミュージックが続く。さらに、上声部ではマルティン・コダスの「ガリシアの叙情歌」の旋律が歌われ、最後は、バロック期の長・短調の並立手法を用いた短い旋律がリコーダーとエレキベースとヴァイオリンで奏され、集団即興演奏の擾乱へと接続されてゆくのが全体の展開だ。巧妙に隠されているものの、このパートでは、サティやライヒ、アイヌの子守唄、コアラの鳴き声、人づてに貰ったテープに入っていた、雨音のようなノイズ音などの切片が「空の果ての行き着くところのない、終りのない務め」でもあるかのように、繰り返され、葬送の音楽に纏わりつき、引用の森の中で錯綜している。基調となるピアノやヴァイオリンのリフレインに絶妙な距離感をたもちながら、近づいては離れてゆく、中ほどの芝井直実のアルト・サックスが素晴らしい。冒頭で今は亡き山谷の梅さんの声が聞こえてくる。当日のPAオペレーターは小沢 靖、サブ・オペは新井輝久。
*−13)
ライナーノーツ: sonorous(1992 / 2012)]
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◉ Liner Notes(In E nglish)
1. Noise Rose ~ Documentary of Auto-Onomatopoeia
Shortwave radio, a smothering scented rose, “Tango de la Rosa”, the Asama siege, the return of Okinawa to Japanese control… I took all of these elements from a documentary EP titled Gekidō no kiroku 1972-nen (1972: A Record of Turmoil), released by the Japanese radio station Nippon Cultural Broadcasting. I then made a two-track collage cutting up and looping the material from the EP, but discarding the words’ grammatical context and original meaning, and creating a sense of intonation differentials and word slippages by focusing on the words’ phonemic qualities – speed, vocalization, articulation. The end result also sounded like a kind of onomatopoeia. I manipulated the tone arm with coins or by digging the needle into the vinyl, creating periodic and aperiodic clusters of scratched static.
By reducing speech to its individual clauses, by creating so-called highly dispersed utterances, by using the effect of individual phonemes for my own purposes, and by simultaneously and separately turning spoken language into my plaything, I had found a way to deconstruct and reconstruct utterances. It was a distortion of reality, an anamorphosizing of the musical simulacra we encounter in daily life and of every language, rendered incomprehensible through the extreme abbreviation of accent marks and magnetic tape. It could also be seen as a type of linguistic parody, drawing on the caricature of intonation or the comical abbreviation of copulas. Or a performance of the “unforeseen accidents of linguistic activity”. A kind of glossolalia in which nothing is hidden, nothing revealed and meaning is non-existent, or the impossible to parse statements of a translation machine that has become afflicted with aphasia.
(Reassembled from: Henri-Pierre Jeudy’s Le trompe-l’oeil; Ivanka Stoianova’s Les voies de la voix; Traverses no.20: La voix, l’écoute).
“At this point I had yet to find my way to Steve Reich’s tape loops and the chaotic second half of “It’s Gonna Rain” (1965) that he described as an obstinate exception. Since I was still at least partly in thrall to the conception of the folk singer and the rock band, when I accidentally ‘discovered’ scratching (which as a musical technique is exceedingly common now of course) in the late seventies, I was utterly ecstatic like I had just chopped the head of a demon. “It’s possible to make music using a technique this simple… how cool… I’ve done it… fuck, I’ll show them all now!” Now I could finally discard those three beat-down punk guitar chords (that I could never play properly anyway), now I had a way to express my feelings and my anger, now I had succeeded in saving myself - such were the tingling thoughts that raced through my mind.” (Quoted from the notes to a 4 cassette set I distributed to some friends in 1992).
(Fig. 1 & 2)
2. Yumbo (extract)
Okuma, Kudo and Akita were occasional collaborators at the time, so I invited them to come and play with me at this event. Looking back now, however, this seems like a somewhat unusual line-up. Some of the audience had a raw, violent reaction to seeing Hiromichi Fujii’s film of backhoe excavators. The promoters invited a total of eighteen groups to participate in the event, including Fred Frith and Tom Cora’s unit, Skeleton Crew. Later, the organizers compiled a cassette-book including performances by all of the participating groups.
(Fig. 3)
3. The Painted Bird (Dedicated to Augustus Pablo)
I borrowed the title from the novel of the same name by the Polish-American author, Jerzy Kosiński. Shimizu from Syzygys played organ, though unfortunately you can’t hear it on this piece. Syzygys referred to themselves as “microtonal pop sisters” and they performed using hand-carved reeds and a harmonium that was adapted to play Harry Partch’s 43-tone just intonation tuning. This is the only recording in the world where you can hear both Motoyama’s outstanding percussive cello and Wataru Okuma’s nice dub guitar work. Parallel House, a rental record shop in Koenji, helped to promote the event. Support was from Syzygys.
(Fig. 4 & 5)
4. Sound Event
I finally started getting into European medieval and Renaissance music around 1987, under the influence of David Munrow. I transcribed some of my favourite pieces from LP, and using a Japanese bowed kokyū in place of a rebec, I started practicing them (my naïve rationale was that I had discovered Japanese musicologist Tomiko Kojima’s theory that the roots of the kokyū could be traced back to the Spanish rebecha). After that I started playing kokyū while Kaori Komura, who had fallen under the spell of Korean traditional music, would play her kkwaenggwari gongs. Notice too Okuma’s phrasing on the clarinet that seems to hark back to Japanese chindon street advertising music. In the second half of the set, I started creating a live collage using my recording of the first half – an idea that I had neglected to share with my collaborators in advance. An adaptation of anonymous 12th century tunes using unison and punning.
5. Seasons, from morning till night
After coming home one summer’s day in 1987, I heard an equalized piano part followed by a gently wavering voice like the song of a street-seller heard faintly in the distance suddenly echoing in my ears. Then a voice saying, “I want to do this song… and I’d like you to video it”. It was a message on my answerphone. Like track 8, “mimi-nuki”, whenever I hear the entirely unforeseeable changes that occur to the tune and lyrics, I am struck dumb with admiration and gratitude for this performance.
(Fig. 6)
6. Shida
I asked Rorie (Amanuma) from Luna Park Ensemble to sing on this track. I remember her saying that she had made an extensive study of the band Cockc’ Nell, and sure enough her voice had an unexpectedly persuasive quality. There’s a suppressed vigour to Motoyama’s cello that also deserves special mention.
“Multiple Maniacs” was an event that I put together with Jutok Kaneko from Kousokuya, but the faint and transitory memories of why he should have asked me to be involved have long since dissipated. Also on the bill were John Duncan (tapes), Tama, Maher Shalal Hash Baz, Kousokuya, and Aozora Kagekidan.
(Fig. 7 & 8)
〔Fern〕
On a warped window pane, the dawn light
Trembles stiffly like a frozen fern
On a warped window pane, the crimson wind
Dances distantly like a tattered fern
On a warped window pane, the twilight gloom
Flickers faintly like a forgotten fern
7. Summer Landscape (extract)
The end of the piece contains a collage of an abacus class, the Yaeyama folk song “Tubarāma”, medium-wave radio weather forecasts, and noise-polluting safety announcements.
(Fig. 9 & 10)
8. mimi-nuki
“mimi-nuki” was written to be performed by Takashi Kazamaki’s Mock Orchestra, formed just before this recording. The orchestra consisted of John Zorn, Kyoko Kuroda, Otomo Yoshihide, Junji Hirose, Rorie Amanuma, Kromarton, Mari Tanikawa, Shin’ichi Arai, Kazamaki, and me. After this event I stopped recording until 2008, but one day I was given a programme from the event and when I saw my name listed between Steve Lacy, Nino Rota and Hans Eisler, I almost collapsed from an overwhelming surge of incongruity and pride.
(Fig. 11 & 12)
9. Funeral (extract)
“Silver droplets falling, falling all around / golden droplets falling, falling all around”. In 1922 just before her death at the age of 19, Yukie Chiri completed a Japanese translation of a collection of Ainu chants by spiritual beings (Ainu shin’yōshū). The first line of one of these chants, “Silver Droplets Falling Falling” was used in 1983 as the title for a radio drama on NHK-FM. In 1996, Chiri’s book was translated into French by the novelist Yuko Tsushima (with Nobel laureate J.M.G. Le Clézio helping to get it published). Korean and English translations were published in 2011.
“Funeral” is an extract from a work that I wrote based on Chiri’s collection. The instrumentation for the performance at Komaba included bamboo tubes, bells, voice, foot-operated organ, alto and tenor sax, violin, recorder, guitar, piano, and tapes. The piece began with a section improvised around the theme of human voices and animal sounds. Over this was layered an infinite canon-esque funeral march that paraphrased Satie’s “Embryons desséchés”, before the piece continued with minimalist-inspired section using an Okinawan scale and a basso continuo organ accompaniment. The vocal part used a melody from one of Martín Codax’s cantigas d’amigo, while in the final section I used a short melody played on recorder, electric bass and violin in Baroque-style major and minor parallel, before ending in a chaotic free improv blowout.
It was skillfully concealed but in this final section I dropped in segments from cassettes that people had given me – bits of Satie, Reich, Ainu lullabies, the cries of koalas, and bursts of noise that sounded like rainstorms. As the chorus repeated, “the skies stretch on endlessly, so too do our duties,” mirroring the sense of the lyrics, my tapes coiled around the funeral march music, creating a dense forest of quotation. Naomi Shibai’s alto sax was amazing in the way it approached and drew back, maintaining a perfect distance from the fundamental refrain being played by the piano and violin. In the first section of the piece, you can hear the voice of the late Ume-san from Sanya. On the night, Yasushi Ozawa worked the PA, with Teruhisa Arai as his assistant.
(Fig. 13)
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Liner Notes: Satoshi Sonoda (1992 / 2012)
English translation: Alan Cummings
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◉ Review - 1
[Dusted Reviews](Originally in English)
Mimi-Nuki serves not just as a testament to the wonderful talents of underrated avant-garde guitarist and experimentalist Satoshi Sonoda, but also to the ongoing creative effervescence of his native Japan’s experimental scene. Perhaps the best compliment I could direct at this collection is that these nine tracks sound like they could have been recorded in the 1960s, when pioneers like Yoko Ono and Toshi Ichiyanagi were redefining the parameters of music; or anytime in the past five or ten years, for they would sit nicely alongside works by Aki Onda and Otomo Yoshihide. As it is, Sonoda laid these improbable sounds to tape in the eighties, which only continues to highlight the creativity of the Japanese avant-garde these last 40-plus years.
Sonoda approaches this legacy with a welcome sense of humor and a wildly eclectic spirit. Opener “Noise Rose” lives up to its title, being a ragged shortwave radio experiment in which a brittle harsh drone dissolves into looped voices and unexpected hints of melody and rhythm (clearly inspired by the tape loop experiments of Steve Reich), predicting an approach that has paid dividends for current noise artists such as Aaron Dilloway. On “Yumbo,” Sonoda is joined, amongst others, by future noise superstar Masami Akita, a.k.a. Merzbow. Despite only lasting four and a half minutes, “Yumbo” is an extravagant collage of tape noise, live instrumentation and gurgling voices that heaves and surges with unbridled energy. Sonoda clearly had his hand on the pulse at a time when noise was lurching out of the realms of modern composition into the domains of rock and industrial music, and “Yumbo” neatly fits into a global continuum that connects Cage and Stockhausen to Throbbing Gristle and, later, Wolf Eyes. Indeed, it’s interesting to note that Fred Frith’s Skeleton Crew performed at the same event where “Yumbo” was recorded.
For all that tracks across Mimi-Nuki slot into the spectrum of international music, Sonoda’s music remains anchored in the traditions of his native Japan (and even Asia), with tracks like “Sound Event” and “Seasons, from morning till night” filtering Western musical styles through Japanese and Korean instrumentation and the distinctive aesthetics of Kabuki theatre, coming up with a strange hybrid that circumvents the stiffness of Western composition via atonality and repetition. “Sound Event,” in particular, feels particularly dislodged from time, as if Sonoda and his musicians have travelled back in time to record in a meadow
in 16th-century feudal Japan. “Summer Landscape (extract),” meanwhile, could be a lost Joe Hisaishi soundtrack for a Studio Ghibli animation and carries a similar sense of graceful atmosphere combined with evocative imagery.
But, to these ears, Sonoda really soars when he takes these disparate influences and dumps them like a blob of sour cream over tracks that are resolutely “rock” in their musical style and instrumentation. “Shida” and “The Painted Bird” feature ramshackle rhythms and discordant string and guitar lines, and represent the surest realization of the spirit of White Light/White Heat-era Velvet Underground I’ve heard in a while. The melodies are sparse and gnarly, whilst the scraped strings and caustic, repeated drones owe a clear debt to the pioneering viola/violin styles of Tony Conrad and John Cale. It all coalesces most beautifully and unpredictably on the 22-minute title track, a rambling post-punk marathon that sounds like This Heat jamming with David S. Ware, with bristling sax, explosive temporal shifts and the unique presence of Otomo Yoshihide (whose Ground Zero project have echoes of Sonoda’s work) on turntables. With its dabbling in forceful rock, stripped-down minimalism and ecstatic Ayler-esque free jazz, “Mimi-Nuki” is impertinently ambitious, but somehow Sonoda never overreaches himself. In comparison, the alternately abrasive and sensual big band free jazz of “Funeral (extract)” almost sounds traditional.
Satoshi Sonoda certainly deserves to be mentioned among the roll-call of famed avant-gardists, and Mimi-Nuki is a rewarding showcase of his varied and unpredictable talents. Across these tracks, which artfully dart from rock and noise to the outer reaches, he remains solidly at the tiller, imbuing each track with similar shades of humor, adventure and melodicism. Mini-Nuki is a treat worth savoring.
Review date: Nov. 26, 2012
By Joseph Burnett
http://www.dustedmagazine.com/reviews/7496
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◉ レヴュー - 1
[Dusted Reviews](Originally in English)
「耳抜き」は見過ごされてきたアヴァンギャルドのギタリスト、そしてエクスペリメンタリストである園田佐登志の素晴らしい才能を証明するだけではなく、今もなお続く日本独自の当該シーンの創造的な勢いの証左である。
このアルバムについて私が表すことのできる最大限の賛辞は、全9トラックが、小野洋子や一柳慧のような先駆者たちが音楽のパラメータを再定義していた1960年代にレコーディングされたかのように聴こえるということだ。さもなくば、ここ5年か10年の間の大友良英や恩田晃の作品と近い位置にあるともいえるだろう。いわば、園田はこれらの信じがたいサウンドを、80年代に記録として残しており、それらはまさに40年以上続く日本のアヴァンシーンの創造性を今もなお際立たせている。
園田はユーモアと幅広い折衷精神による自由な感覚にみちた遺産にアプローチする。冒頭の「Noise Roses」はそのタイトルに名前負けしていない、耳障りな短波ラジオによる実験だ。そこでは鋭いハーシュ・ドローンがループされた声と、メロディと旋律の思いがけないヒントへと溶解し、アーロン・ディロウェイのような最近のノイズ・アーティストへと受け継がれるアプローチを予言している。「Yumbo」では、園田は未来のノイズのスーパースターであるメルツバウこと秋田昌美と他のだれよりも密な関係にある。たった4分半にもかかわらず、「Yumbo」は失速を知らないエネルギーを放ち、波打つようなテープ・ノイズ、生楽器、咆哮する声からなる、とてつもないコラージュだ。ノイズが現代音楽の領域からロックとインダストリアル・ミュージックの領域に流れ込んでいた、その当時の状況を明らかに彼は見据えており、「Yumbo」はケージやシュトックハウゼンとスロッビング・グリッスルそして後にウルフ・アイズを結ぶ包括的な一連の流れにぴったりと合致する。フレッド・フリスのスケルトン・クルーが「Yumbo」が録音されたのと同じイヴェントで演奏したことは実に興味深い。
「耳抜き」の全てのトラックが海外の音楽の潮流に通じているとはいえ、園田の音楽は彼の母国である日本(またアジアさえも)の伝統の中に根を下ろしていて、「Sound Event」「朝と夜と」のような曲は西洋音楽の様式を日本(と韓国)の楽器、歌舞伎の独自の美学をとおして解釈し、無調と反復を経た西洋音楽の膠着状態を出し抜く奇妙なハイブリッドとして結実している。特に「Sound Event」は彼と仲間のミュージシャンたちが16世紀の封建時代の日本の草地で録音するために古い時代へタイム・トラベルをしたかのような、時代から著しく隔たった感覚を与える。一方「Summer Landscape(抜粋)」はスタジオ・ジブリのアニメーションのための久石譲のサウンド・トラックになっても何ら違和感がない曲で、想像力を呼び起こす優美な雰囲気を持つ点において久石と似ているような感じもする。
だが、園田はこれら異質な様々な要素から影響を受け、そこで得たものにまるでサワークリームの塊を塗りたくるかのように、数々の楽曲を音楽的なスタイルと編成の点で“ロック”として結実させるほどの一触即発状態に達している。「Shida」と「The Painted Bird」は節操のない凶暴なリズムと不協和なストリングとギターのパートに焦点をあてていて、ちょっと聴いてみたところ、この曲はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「White Light / White Heat」の精神をシュルレアリスト的に解釈した演奏だ。メロディはまばらで、ぞくぞくするほど美しいが、一方、かき乱されたストリングスと執拗に反復されるドローンは、トニー・コンラッドやジョン・ケイルの先駆的なヴィオラとヴァイオリンのスタイルによるものだということは明らかだ。
苛立つサックス、破綻寸前のテンポの変化、ターンテーブルの大友良英のユニークな存在(彼のGround Zeroプロジェクトには園田の影響が垣間みられる)による、ディス・ヒートがデイヴィッド・S・ウェアとジャムを行っているかのように聴こえる奔放なポスト・パンクの耐久戦。その全てはアルバムのタイトルでもある22分のトラック「耳抜き」に美しく、思いがけない方法で集約されている。力強いロックの中での遊び心、滑り落ちるようなミニマリズム、アイラーを彷彿させる官能的なフリー・ジャズの要素を持った「耳抜き」には斜に構えた野心をうかがえるが、園田は決して背伸びをしているわけではない。対して「Funeral(抜粋)」の互いに聴き合いながら演奏するビッグ・バンド風フリー・ジャズはほとんどトラディショナルに聴こえる。
園田佐登志は名だたるアヴァンギャルディストの一員として言及するに能うべき人物であることは確かだ。「耳抜き」は彼の幅広い、予測不可能な才能を存分に見せる格好のショーケースだ。ロックとノイズから世界の外れにうまく抜け出した、これらのトラックに対して、それぞれ、ユーモア、冒険心、美しい旋律を行き渡らせ、彼はしっかりとその舵を取っている。「耳抜き」はじっくりと味わうに値する。
〔レビュー年月日: 2012年11月26日〕
ジョゼフ・バーネット(日本語訳: 小萩太郎)
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★ Review - 2
[Volcanic Tongue](Originally in English)
Fantastic epoch-spanning collection of unreleased recordings from the 1980s featuring the legendary underground lightning rod, guitarist and sub-cultural provocateur Satoshi Sonoda playing alongside titans like Masami Akita, Tori Kudo, Otomo Yoshihide, Wataru Ohkuma et al: this is PSF’s second volume of collected Sonoda works and it’s a stone classic. Sonoda is one of the key ‘lost’ figures in the genesis of the contemporary Japanese underground that saw its fullest flowering in the 1990s. He was one of the first figures to inject western avant garde praxis and new music into the nascent art/underground scene, forming a ‘music club’ at Meiji University that attracted players like the late Fushitsusha bassist Yasushi Ozawa, Chie Mukai of Che-SHIZU, Jutok Kaneko of Kousokuya, members of Gasaneta and A-Musik et al. He was also a tear-it-up avant guitarist who dug Paul Kossof and Jimi Hendrix as much as Sonny Sharrock and Derek Bailey. This set collects live recordings, jams, tape work, free jazz and avant classical hysteria cut between the years 1982 and 1989 and features a dazzling supporting cast, with appearances from Masami Akita aka Merzbow, Tori Kudo of Maher Shalal Hash Baz, Otomo Yoshihide, Wataru Ohkuma of A-Musik, Rorie Amanuma and Shinya Kimura of Luna Park Ensemble and Takuya Nishimura of Che-SHIZU. The music is phenomenal, moving from haunting tape work with a dark 3am nightmare feel through euphoric piano-led minimalist pop masterpieces fractured by Sonoda’s furious six-string assaults (particularly bloody on the tear-it-up live session from the legendary ‘Multiple Maniacs’ event that took place in Tokyo on September 4th 1987 that also featured John Duncan, Maher Shalal Hash Baz and Kousokuya!), through to soft, violin/piano/shortwave hymnals that marry classical grace to psychoactive repetition, weirdo Velvets-play-Steeleye-Span-play-This-Heat styled avant dub confusion, Wildman free jazz assaults, classic expiring brass dirges that come straight out of the Tori Kudo idiot-avant songbook... the atmosphere throughout is paradoxical, combining the first euphoric rush of anything-could-happen exposure to new ways of thinking, listening and playing with a melancholy spirit of memorial and passing. Indeed, it’s one of the most emotionally affecting archival avant garde releases to pass this way in years. Anyone still wrestling with the precise genesis of the contemporary Tokyo ‘sound’ pretty much needs this astounding side. It also comes with an oversize zine, mostly in Japanese, that reproduces some fliers from the time and that does have two pages of in-depth English analysis featuring priceless quotes and information, with Sononda described by the late Gasaneta bassist Toshiharu Osato as having “such a loose brain”, a man “whose buttons are incorrect”. Really, this is an absolute treasure trove and has been the soundtrack of the entire week at VT, a timely reminder of just how endlessly creative and inspiring the Japanese underground was and continues to be. One of the releases of the year – highest possible recommendation!
[TIP OF THE TONGUE 26 AUGUST 2012](dead link)
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★ レヴュー - 2
[Volcanic Tongue](Originally in English)
伝説的なアンダーグラウンド・シーンの重要人物、ギタリスト、サブ・カルチャーの立役者でもある園田佐登志に焦点を当て、彼が秋田昌美、工藤冬里、大友良英、大熊ワタルといった大立者と演奏を共にした1980年代の未発表音源による、飛び抜けて画期的なアルバムだ。
このアルバムはPSFからリリースされた園田の2枚目の作品集で、まさに古典と呼ぶにふさわしい一枚である。
園田は1990年に最高潮の盛り上がりを見せた同時代の日本のアンダーグラウンド・ミュージックの起源における鍵でありなからも、‘見失われた’人物のひとりである。彼は西洋のアヴァンギャルドと新しい音楽の語法をちょうど黎明期のアンダーグラウンド・シーンに取り込んだ最初の人物の一人で、彼が主宰した‘明大現音ゼミ’は後期不失者のベーシストだった小沢靖、Che-SHIZUの向井千恵、光束夜の金子寿徳、ガセネタやA-Musikのメンバーなどを惹きつけた。また彼は、ソニー・シャーロックやデレク・ベイリーのみならず、ポール・コゾフ、ジミ・ヘンドリックスにも深く影響を受けた先鋭的なギタリストでもあった。
このアルバムには1982〜89年のライヴ録音、ジャム・セッション、テープ作品、フリー・ジャズ、アヴァン・クラシカルの集団による熱狂の記録が収められており、メルツバウの秋田昌美、マヘル・シャラル・ハシュ・バズの工藤冬里、大友良英、A-Musikの大熊ワタル、ルナパーク・アンサンブルの天沼ロリーと木村真也、Che-SHIZUの西村卓也といった目がくらむほどのサポート・メンバーにスポットライトが当てられている。
彼の音楽は驚くべきものだ。冒頭、心地よいピアノによって導かれたミニマル風のポップな名曲が、園田の荒れ狂った攻撃的なギターに打ち砕かれる。このような、まるで暗い深夜3時の悪夢のような感覚をもたらす不気味なテープ音楽(特に1984年9月4日に東京で行われ、ジョン・ダンカン、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、光束夜が参加した伝説的なイヴェント‘マルティプル・マニアックス’でのすさまじいライヴ・セッションにおいて)からこのアルバムは始まり、クラシックの優雅さと魂にゆさぶりをかける反復とが一体となった柔らかなヴァイオリン/ピアノ短波ラジオによる賛美歌を経て、一風変わったヴェルヴェッツ、スティーライ・スパン、ディス・ヒート風のスタイルを彷彿させるアヴァン・ダブの混乱、そして過激主義者によるフリー・ジャズによる襲撃、最後は工藤冬里というとぼけた前衛のソングブックから飛び出した、クラシックと見まがうかのようなブラスの葬送歌で幕を閉じる.....
このアルバムの全体的な雰囲気は矛盾をはらんでおり、冒頭の"Noise Rose"では、何もかもが起こりうる激しい表出による高揚感と、追憶と過去への眼差しをもった叙情性のなかでの聴取や演奏という新たな考え方が併存している。
このアルバムは、この数年間でこのようなかたちでなされたリリースのうちで最も心情に訴える、完成されたアヴァンギャルド作品のひとつである。同時代の東京の‘サウンド’の精確な起源についていまだ逡巡しているあらゆる人にとって、この驚くべきアルバムは必携だ。このアルバムには当時のいくつかのフライヤーを再録した冊子(zine)も付いており、ほとんどが日本語で書かれているが、最後の2ページはガセネタのベーシスト大里俊晴の「かくも緩んだ脳味噌」「あのどこまでも脳のボタンをかけ違えた」人物と園田を描写した、非常に興味深い引用と情報からなる英語で書かれた深い分析が掲載されている。
本当にこれは有無を言わさない貴重なコレクションで、このところのVT(Volcanic Tongue)ではこのディスクをずっとかけている。
「耳抜き」は無限の創造性を持った、かつての、そして今後もそうあり続けていく日本のアンダーグラウンドを示唆することをタイムリーに思い出させてくれる。今年リリースされたもののうちで強烈に推薦したい一枚だ。
〔レビュー年月日: 2012年11月26日〕
Volcanic Tongue(デッドリンク) / 日本語訳: 小萩 太郎
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★ レヴュー - 3 (Originally in Japanese)
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まったく予備知識がないので、とりあえず先入観なしで聴いてみて、そのあとライナーノートを熟読したのだが、ものすごく興味深かった。1、2曲目はサウンドコラージュのような感じだが、ターンテーブルでの即興でよくあるような演奏の先駆なのかもしれない(ちがうかもしれない)。真剣に聴いているといろいろ想像できてすごく面白い。3曲目は荒っぽいベースの反復とそこに載るヴァイオリンやノイジーなギターなどによる演奏。ワンコードでのセッション的な、ある意味普通すぎるぐらい普通の演奏で、狂気も前衛性もないような雑いものなのだが、そこに痛々しいぐらいの暗い影が感じられて、たいへん魅力的である。4曲目はおもちゃのピアノの単音に導かれてはじまり、そこに素朴な(下手なといってもいい)リコーダーがユニゾンでからむあたりの冒頭部のいかがわしさはなんともいえない。そこにクラリネットやチェロや胡弓が入り、合っているようないないような、独特の崩れ方、というか腐り方が味わえる独特の音楽。5曲目は、これは本当にすばらしい、狂気のポップス。録音は悪いけど、超魅力的。単純すぎるほど単純なメロディ、ピアノだけの伴奏でも、ボーカルの爆発によってここまで音楽はおもしろくなるのだな。6曲目はこれも録音が悪いせいかボーカルの歌詞がよく聴き取れないが、曲も歌詞もなんとも耳に残り、上手いのか下手なのかもわからない(わっ、ルナパークアンサンブルのひとだったのか。すいませんねえ。だってそう聞こえたんだもん)ボーカルがめちゃくちゃ魅力的で印象的な演奏。バンドの演奏(とくにドラムと園田のギター)はすばらしく、不穏なチェロもいい。7曲目の美しいメロディをヴァイオリン主体で反復していく曲の最後の最後に天気予報とかの音声がかぶるのだが、これが見事に溶け込んでいてびっくりした。こういうのもセンスが問われるなあ。8曲目はかなりアコースティックなフリージャズというか我々のなじんだ音楽に近いが、それもそのはずで黒田京子、池田篤、村田陽一、大友良英……というようなすごい面子が参加している(当時のORTのレギュラーメンバーだと思う)。センスだけでなく、やはり上手さも際立っている(とくにトロンボーン)が、おもちゃ箱をひっくり返したようながちゃがちゃした楽しさはこの曲でも感じられる。コンポジションがしっかりとあって、最後のほうで出てくるサックスソロからの集団即興への流れがなんともいえない。ラストの9曲目は、ブツブツというノイズや、ひとのしゃべり声や口笛のような音、わけのわからない叫び……などを背景として、ヴァイオリンやハーモニウムの淡々とした物悲しいメロディが流れていくのだが、これが言葉で表現しにくいような魅力、というか魔力があるのだ。サックスソロのあと明るい展開もいい感じです。というわけで、このアルバムに収められた音源からはブラックマジックのような、ひとを引き込む魔力を感じた。いいものを聴けました。
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satoshi sonoda
「耳抜き」(MODERN MUSIC(P.S.F RECORDS PSFD-203)園田佐登志
https://fuetako.sakura.ne.jp/cd/sonoda.html
レビュー日時不明
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【 Playlist on WFMU, Live Streaming Radio 】
Satoshi Sonoda site:
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Play Vertigo with Mayuko
November 24, 2018: The Ears Went Traveling / Satoshi Sonoda "Noise Rose" (0:12:08)http://wfmu.org/playlists/shows/82490
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Play Vertigo with Mayuko
March 4, 2017: The Time Is Nigh /
Satoshi Sonoda "Funeral" (2:34:20)https://wfmu.org/playlists/shows/71435
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Play Vertigo with Mayuko
November 9, 2015: Plonger dans vos beaux yeux comme dans un beau songe /
Satoshi Sonoda "Summer Landscape" (1:13:58)http://wfmu.org/playlists/shows/63478
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Playlist for Gateway to Joy with Donna -
July 20, 2012 /
Satoshi Sonoda, "seasons, from morning till night(1:23:45)http://wfmu.org/playlists/shows/46593
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Playlist for Daniel Blumin - July 21, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Noise Rose"(0:31:25)http://wfmu.org/playlists/shows/46614 ★
Playlist for Scott Williams - July 23, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Noise Rose(0:55:13)http://wfmu.org/playlists/shows/46635
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Playlist for Benjamen Walker's Theory of Everything - July 23, 2012 /
Satoshi Sonoda's "seasons, from morning till night(0:52:31)http://wfmu.org/playlists/shows/46631
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Playlist for Hello Children with Faye -
August 2, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Asa to Hiru to" (0:26:21) and "Summer Landscape(2:19:34)http://wfmu.org/playlists/shows/46767 ★
Playlist for Knuckle Sandwich with Dave Bombay - August 6, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Funeral (extract) " (1:10:16)http://wfmu.org/playlists/shows/46823 ★
Playlist for John Allen - August 15, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Noise Rose" (2:25:32) http://wfmu.org/playlists/shows/46957 ★
Playlist for Strength Through Failure with Fabio - August 16,2012 /
Satoshi Sonoda, " Noise Rose "(1:50:47) http://wfmu.org/playlists/shows/46975
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Playlist for Jason Elbogen - August 17, 2012 /
Satoshi Sonoda "The Painted Bird" (1:30:37) http://wfmu.org/playlists/shows/46984 ★
Playlist for Woody - August 19, 2012 / Satoshi Sonoda "Noise Rose" (1:36:26) http://wfmu.org/playlists/shows/47013 ★
Playlist for World of Echo with Dave Mandl - September 2, 2012 /
Satoshi Sonoda "The Painted Bird" (2:28:42) http://wfmu.org/playlists/shows/47218 ★
Playlist for The Long Rally with Scott McDowell - September 14, 2012 /
Satoshi Sonoda, "Funeral (extract) " (2:13:10) http://wfmu.org/playlists/shows/47385 ★
Playlist for 100% Whatever with Mary Wing - October 18, 2012 /
Satoshi Sonoda "The Painted Bird" (0:51:40) http://wfmu.org/playlists/shows/47831
........................... CD「耳抜き」【 mimi-nuki / Secondary Works of Satoshi Sonoda, 1982-1989 】
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blogarchive -[椅子物語](chairs story)
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(2022.12.20)
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【 すべてはもえるなつくさのむこうで 〜 Early Works Of Satoshi Sonoda, 1977 - 1978 】(Uploaded audio, Reviews,etc.)
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" Everything Lies Beyond The Burning Summer Grasses" 〜 Memories Of Yasushi Ozawa
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P.S.F. Records: PSFD-186
Country: Japan
Released: Feb 20, 2009 / 2009年2月20日
Format: CD
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(1:15:27 full album)
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https://bit.ly/3hHRtDQ(discogs)
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【小沢 靖の思い出に】
小沢君と初めて会ったのは、いつのことだったろう。ニコライ堂を左 手に眺め、聖橋からゆっくりとサインカーヴを描くように下りつ上りつ した果てに、あたかも来訪者を威圧し拒絶するがごとく......いやあるいは深く受容するがごとく聳え建つ、〔明大記念館〕なる“牢獄 建築”であったことは疑いない(今は取り壊され、跡地には“LIBERTY TOWER”という瀟洒な建物がたっている)。
勾配に気を取られながら、木製の螺旋階段をぎしぎしと登りつめと、昼間でも奥行きが定かではない薄ぼんやりとした細長い部屋に辿り着く。
76年当時の私は、この尖塔の一室でほんの一握りの学友たちと毎週木曜日の午後5時から9時まで「現代の音楽ゼミナー ル」なる集まりを開いていた。
2つばかりの音楽雑誌に読者広告を出したこともあり、通称 「現音ゼミ」には今になって思えば、その後の幾つかのバンド結成や連続企画、吉祥寺マイナー等の活動拠点に連なる興味深い胎動を少なからず孕んでいた。〔連続射殺魔〕のギタリスト和田哲郎(琴桃川凛)や ベースの浜野純、新潟から上京したばかりの大里俊晴、大阪を離れ渋谷に居を構える山崎春美、それにフールズ・メイト編集長の北村昌士もここを訪れた。
そんな来訪者の中で、小沢君はなぜか某大学の“ロッキング・オンの会”の連中とつれだって、ひときわ寡黙な足取りでやって来た。彼はまだ18やそこいらだったが、すでに老成の趣を漂わせ、都会人の例に漏れず、阿部薫や高木元輝、吉沢元治、豊住芳三郎などのライブに足を運び、西荻アケタの店や青山タワーホールで録音されたと思しき彼らのライヴテープを田舎者の私に貸してくれたりもした。
また、神田美学校小杉武久音楽教場の生徒でつくる集団即興演奏グループ〔イースト・バイオニック・シンフォニア〕のレコーディングメンバーでもあった。さらに、前後して「老水一(おいみずはじめ)」のペンネームで、季刊『音楽』誌を発行するミュージック・リベレーション・センター〔イスクラ〕の最年少オルガナイザーとなった。
声高に語ることはなかったが、彼は繰り返し言っている。「『音』と出会うことは世界の裸形と出会うことだ。世界と出会うこと。出会った世界を未だ出会わぬ世界に向かって投げ返してやること。...... 『出会い』は方法をもたぬ目的、目的をもたぬ方法、あるいは方法にして目的、目的にあらずして方法にあらざるもの。なぜなら『出会い』は『生』の暗喩に他ならないから。だから何よりもまず『出会い』を」「出会いのないところに表現はあり得ない。出会いの方法論を鍛えること。......我々は芸術家など欲してはいない。自らの表現衝動の『意味』を知り、隠されたコミュニケーション回路のあり方を透視しえる、『生』のあらゆる領域における『表現者』こそが今、必要なの だ」と(シリーズ企画「HOT BREATH」リーフレット(1976)及び季刊「音楽」12号(1977)後記より抜粋)。
小沢君のこのような来歴や思考は、フリージャズや現代音楽を多少は聞きかじっていたものの、いまだ「プログレ小僧」の域を抜け出せない でいた私を、一挙に戦後日本の現代音楽やフリーミュージックの現場に引き寄せた。多田正美や向井千恵、今井和雄、椎啓、峰岸政春、服部達雄らバイオニックのメンバーをはじめ、吉村弘や芦川聡、佐野清彦、曽我傑のイベントやパフォーミングに触れるきっかけを作ってくれたのも彼だ。当時、小田急線の鶴川に住んでいた関係で、近藤等則や宇梶晶二(reeds)、飯島信一郎(b)、土取利行、ヘンリー・カイザーやデレク・べイリーらのライヴをやることもあった町田のジャズ喫茶〔カラヴィンカ〕で私がアルバイトを始めたのもその頃だった(小沢は終世、町田に住み続けた)。
このような諸々のいきさつから〔現音ゼミ〕と〔Roの会〕は1976年11月20日~23日にかけて、件の〔明大記念館〕脇の中庭ステージ及び〔5号館地下踊り場〕で、Evolution Ensemble Unity =〔EEU〕(高木元輝 ts,近藤等則 tp,吉田守男bs)にサックスの三浦崇史が臨時で加わったカル テット、連続射殺魔、レコードをリリースして間もないイースト・バイ オニック、後に斉木豊、島根孝典、風巻隆らも加わり〔Tree〕と名前を変えた町田在住の〔岩永多旗夫グループ〕(岩永多旗夫g, 河野優彦tb, 皆川修 ds)に声を掛け、記念すべき 第一回目のコンサートを開催した。死の2年前 であったが、半夏舎の間 章(1946 - 1978)と初めて会ったのもここだった。
〔現音ゼミ〕はその後も、77年4月30日に芦川聡(syn)と服部達雄(vn , vo)のデュオ、おそらく小沢がベーシストで加わった最初期の即興演奏トリオ〔Percussive Unity〕、同じく彼がベースを弾き今回のアーリー・ワークスにも収められている私のバンドを含む、第2回目のコンサートを企画した。しかし、週一回の集まりは欠かさなかった。
77年冬のとある昼下がり、六本木の寺山修司アトリエで日がな一日“スロー"で
“エコロジカル”なイベントを繰り広げていた〔 GAP 〕の面々(佐野、曽我、多田)と、それを「観察」しにやって来たマルチリード奏者の三浦崇史、〔イヴェント・アクシデント〕を立ち上げたばかりの小山愽人......この3者と出会ったことは、私の人生における最大の事件であり僥倖だったかも知れない。
三浦さんは、竹田賢一、臼井弘之、灰野敬二、笹理祐らも名を連ねていた〔Vibration Society〕のバンマス的存在で、それまでもエネルギッシュかつ縦横無尽で多岐に渡る活動を展開していが、79年夏に30代半ばで突然逝ってしまった(このことがその後の即興演奏シーンに与えた損失は、ことのほか大きかったように思う)。小山は77年の10月29日~30日に当時はまだ駿河台にあった中央大学の2号館と中庭で「哲学会」のサークル仲間と「音楽の終わりへ、作家、作品、演奏会を解体する作業を始めよう......誰でもその場で演奏に参加できる音の集会」という触れ込みのもと、GAPやバイオニック、佐野の弟子達で作る北鎌倉高校即興演奏グループ(後の“火地風水”)、〔からめく螺旋音〕(乙部聖子、桑原常代、向井千恵、堀川久子)、それにヴァイブレーションやEEUにも声を掛け、「Sound Yard」なる催しを企てた、張本人だった。
私にとっては小沢君を起点とした3者との邂逅は、「音の最高度の臨時性と開かれた作業場」を求め、先の記念館や町田カラヴィンカ、江戸川河原、早稲田祭、スペースJORA、桐朋学園(中止を余儀なくされた)などで78年1月からおおよそ1年間に渡って開かれた「Free Music Space=FMS」や、その前後の吉祥寺マイナー、キッド・アイラック・ホール、吉祥寺羅宇屋へと続く、諸々の活動の分水嶺となるものだった。
今回のアーリー・ワークス〔小沢メモリーズCD〕は、小沢君との出会いが私にいかなる『音─世界』との出会いをもたらしたか、その記憶と記録とを音盤に刻み込んだものである。そして「出会った世界を未だ出会わぬ世界に向かって投げ返す」試みでもある。小沢君ありがとう。 今、私ができることはこの程度に過ぎないが、安らかに眠って欲しい。
<曲目解説>
1 夕暮れ暗夜そして夜明け
あらためて聴き直してみて、ギターの間奏部分に皮肉めいた掛け声と囃し立てるようなクラッピングが微かに聞いて取れる前半部がとりたてて〈プログレッシヴ・ロック風〉とは思わないが、後半の展開はやはりその影響も色濃く、今回は省くことにした。
1.あー 昏れゆく ひかりの なかで
あー 聞こえる かすかな ひびき
あー それは 触れあう 緑砂の 流れ
あー それは 沈みゆく 深紫(しんし)
の さざめき
2.あー 明けゆく暗夜(あんや)のなか
で あー 去りゆく ものたちの つぶやき
あー それは 死者たちの 群れ
あー それは どこにもいない わたし
どこまでも どこまでも あー はてしな
く
2 Poly-Performance[ポリパフォーマンス]
現代音楽の作曲家が日本の伝統楽器や伝統音楽の演奏家のために書いた作品を「現代邦楽」と呼んでいたある時期(今はどうだろう)、門外漢であった私も遅ればせながら上野の文化会館小ホールや都内各地で日夜くり広げられる現代音楽やそれに類するコンサート、イベントに足繁く通った。NHKFMで日曜夜に放送され、上波渡のざっくばらんなトークが魅力でもあった「現代の音楽」の時間をすこぶる楽しみにしていた(武満のサインは行方知れずだが、上波さんが返してくれた手紙は今でも大事にしまってある)。柴田南雄(のちに近藤譲)が案内役をつとめ、年に数回ゴールデンタイムに放送されていた「海外20世紀 ライブ」も獲り逃さぬよう懸命だった。
松村禎三は寡作な作曲家と言われるが、自身が音楽を担当した「竜馬暗殺」での路地裏を低く徘徊するがごときガットギターのコードワークはB&Wの映像を引き立て、我々の耳をそば立てた。「ピアノ協奏曲第一番」や「暁の賛歌」に顕著な、仄暗いスロープを昇りつめた先に訪れる怒濤のような奔流とカタルシスは他の作曲家にはみられないもので、そののっぴきならぬ「初源のリアリズム」と響きに圧倒された。一方で、「桐朋学園子供のための音楽教室」のために作られた「ギリシャに寄せる二つの子守唄」のなんとまぁ無垢な美しさよ。柴田も松村も鬼籍に入ってしまったが、「ギリシャ」の方は直系を自認する吉松隆に引き継がれた。果たしてピアノ・コンチェルトの強靭さと「深層のリアリズ
ム」を引き継ぐ現代作曲家を我々の時代は望むことができるだろうか。
松永通温のシアターピースを収めた同名のアルバムがあったと記憶するが『Poly-Performance』は、ギターソロ部分のペンタトニックなフレーズに松村の尺八のためのソロピース「詞曲2番」の曲想や即興性色濃い山本邦山のプレイが多少は反映されているかも知れない。ただ、いくら野太い音色だとはいえ、国産のレスポールモデルのシングルトーンでそれを置き換えようとしたこと自体そもそも無謀な試みだった。現音ゼミを支えてくれた同志でもある中根のアグレッシヴなバイオリンと小沢君の律儀さが際立つ後半部分だが、実は合図とともに轟音の中に全員で雪崩打つ予定だった。タイミングを逸してしまい、結果的にシンプルなベースラインを強要したことがやや悔まれるが、79年2月に開かれたマイナー・フリー・サウンズワークショップで小沢はギターの大木公一と<定型リズムを基本とした即興演奏及び個別性>というアイデアを提示し「定型をあえて自らに強いて、委ねていくことも又一つの魅力ある方法だと思う」と語っているので、この際、許してもらうことにしよう。
3 すべてはもえるなつくさのむこうで
私の青春時代のギターヒーローはジェフ・ベックでもエリック・クラプトンでもジミー・ペイジでもなく、アメリカ国歌 "The Star Spangled Banner" を、なんの衒いや躊躇いも感じさせることなく軽々と爪弾くウッドストックでのジミー・ヘンドリックスとフリーのギタリスト、ポール・コゾフだった。バック・ストリート・クローラー時代の「 Time Away 」がコゾフ自身の葬送曲であるように、この「なつくさ」もまた私自身の鎮魂歌のようにも思える。テーマは当時愛聴していた菊地雅章の"Yellow carcas in the blue"や"Drizzling Rain"あたりの影響があるかも知れない。ここでも、窮屈そうにベースを弾く小沢君の姿が目に浮かぶ。叙情やセンチメンタリズムからは最も遠い所に居た小沢君だったが、この曲と演奏を小沢君へのレクイエムとしたい。
すべてはもえるなつくさのむこうで
ゆるやかにとうのはだをぬらすあめ
むしたちのよぶこえみずのしたたり
ひかりとたわむれるとりけものたち
たましいをまねきよせるあのけはい
うたわれているこのはのこもりうた
だがゆびのあいだまだゆれるほのお
すべてはもえるなつくさのむこうで
〔鈴木漠詩集『車輪』(1968)より〈塔〉後半部分/1973年 発行 審美文庫「鈴木漠詩集」P56〕
4 しょんべんだらけの湖
5 untitled
6 むすんでひらいて
そもそも真面目さと滑稽さとはコインの裏表ではなかろうか。
ANARkISSは私と山崎が二人でボーカルを折半した一回切りのJokingバンドで、「東京ロッカーズ」とのブッキングは吉祥寺マイナーの店主でガセネタの雇われドラマー佐藤さんの“采配の妙”というべきか。演奏後、楽屋で連中の一人から「ジョージでこんなことやっていいと思ってんのか?調子こくんじゃねぇぞ!」と凄まれた憶えがあるのだが、私はまったくその意味が呑み込めずただただうろたえた。The Whoの大ファンだった私が、白いGパンを履いて三上寛を熱唱し尺八を吹いたりしたことがそんなに彼らの癇に触ったのだろうか。
京都に居た中学時代の友人のすすめで、浜野純に初めて会った76年当時、彼は弱冠16才だった。誰にでも毒付く始末の悪い青年だったが、ギターの腕はピカ一で凄みがあった。マイナー時代の浜野はすでに確かな技術を持ったある意味ではとても計算し尽くされたギターを弾く男だった。モズライトからくり出されるドライヴの効いた飛躍的なギターワークは鋭利な刃物のごとく研ぎ澄まされ、今でも聞く者を震 撼させる。狂気を孕んだ早成のギタリストであり、大里俊晴に遅れて〔現音ゼミ〕にやって来た山崎晴美との出会いは「ガセネタ」の結成を既に予感させた。
17歳の時に九州から単独でバックパックを背負い、中津川フォークジャンボリーに参加したこと、とりわけ三上寛をメインとサブの両ステージで目の当たりにしたことは、後の「 GAP 」との出会い同様、私にとってある種の僥幸だったかも知れない。ガセネタと学生時代の愛唱歌の一つであった「しょんべんだらけ」を歌うことができたのもまた。
78年半ばのとある一日、小沢君と私はその頃笹塚にあった「 GAP WORKS 」の事務所から借りたオープンリールのデッキで、〔こたつで吠えろ〕=ガセネタの録音をした(彼らはくるくるとバンド名を変えるのが大好きだった。〔こたつ〕や〔て〕もその類である)。簡易的なセッティングで録られたその時の演奏は79年の2月にカセットテープでリリースする予定だったが果たせず、小沢君のナカミチのカセットデッキで収録されたFMSのライブとこの音源が大半を占める『SOONER OR LATOR』 が、大里の了解を得られぬまま、93年山崎春美の手によりリリースされた。
音楽的には全く異質のものであったが、極めてシンプルなコード進行と吉祥寺マイナーというワン&オンリーのスペースにおいて、ガセネタはジュネや工藤冬里、川田良のワースト・ノイズらとともに東京ロッカーズと同衾していた。
7 Collective Sound Events
この記録をまず「音楽」と呼ぶにはいささかためらいがある。各人の音楽的経験や方向性が異なるのはむろんだが、とりたてて決めごとや時間的制約、あるいは始まりや終わり、それに盛り上りといった盛り上りもないまま、割れて歪んだ青海波のごとく寄せては返す隙間の多い音の連なりは、個々の演奏家の気質や嗜好、思惑を越えて、自己主張や自己表現、音楽的完成度や習熟、専門性といった呪縛や妄信、特権意識を否応なく脱臼し粉砕しようとする。いやなによりも、音楽作品や音楽史、音楽的構造や演奏行為をいったんばらばらに解体しては再構成し、しかし、ニヒリズムに陥ることなく、そのプロセスや手付きまでをも披瀝し交感と交換の場に持ち込もうとしたのが佐野、曽我、多田らによる〔GAP〕ではなかったか。
サックス奏者、篠田昌已の生誕50年に当たる2008年、私は≪篠田昌已 act 1987≫という、作品とドキュメントの中間くらいに位置する記録映像を引っ提げ全国で上映会を開いた。そして、大熊ワタルがクラリネットで参加して間もない東京チンドン長谷川宣伝社・楽隊の演奏風景に「チンドンというのはトタン屋根に雨が落ちるようなもので頑張りとか盛り上がりとかそういうのじゃない世界なんだ......」という篠田自身の言葉をテロップで流した。
CD最後に収められたこの演奏との音楽的共通性云々ということではないが、篠田や小沢、GAP、イヴェント・アクシデントやFMS、あるいは後のヴェッダ・ミュージック・ワークショップなどが理念として掲げた、〔開かれた作業場〕への強いこだわりは、たとえ現れてくる音や音楽は千差万別であっても、専門的な訓練を受けたミュージシャンとそうでない者、批評家や技術者等々が同じ土俵で、音楽によるあるいは音を媒介とした共同性や集団のあり様やあり方を鋭く問い掛けようとする試みだったと思う。そして「神秘主義」や「超越性」「素朴還元論」にた易く寄りかかることなく、「情況への対峙」を指針とし、行動やパフォーミングに及んだのが、曽我や佐野、多田ら〔GAP〕や小沢が属した〔イスクラ〕あるいは半夏舎、ダーク・デザイン・インスティテュート、学習団、小島録音で構成された〔環螺旋体〕ではなかったろうか。
この、高低差のある大教室の中でめいめいがめいめいに楽器やアン プ、音具類を持ち寄り発話発音を試みるサウンド・イベントと同時進行で、中庭ステージではバイブレーション・ソサエティが演奏をおこなっていた。途中、何らかのトラブルが生じたのか、録音には竹田賢一の声も聞こえる。最後の方で鳴り響くトランペットは多田正美で、ソプラノサックスのとぼけたフレーズはステージが終わり会場を訪れた三浦さんのような気がする。でも、もう思い出せはしないし、もはや思い出す必要もないだろう。(文中敬称略)
◉ レコーディングデータ (In Japanese)
1 Free Music Space1
Date: 1978年1月22日
Location: 駿河台[明大記念館]
Performers: 園田佐登志(g.vo),
石田 一成(ds),鈴木 誠(bs)
2 Free Music Rev. Rehearsal
Date: 1977年4月29日
Location: 明治大学和泉校舎6番教室
Performers: 園田佐登志(g), 小沢 靖(bs),
中根 清吾(vl), 上田みつひろ(ds)
3 Free Music Rev. Session
Date: 1977年4月27日
Location: 明治大学和泉校舎6番教室
Performers: 園田佐登志(g), 小沢 靖(bs),
伊能 康夫(ds)
4. 5. 6. [ANArKISS] "Liv e At Minor" with SEX,
自殺, PAIN, Speed
Date: 1978年9月14日
Location: 吉祥寺[マイナー]
Performers: 園田佐登志(vo-4, g-5, 尺八-6),
浜野 純(g-4, bs-5, ds-6), 山崎 春美(vo-5, スクラッチノイズ-6), 大里 俊晴(g-4, sax-6), 佐藤 隆史(ds-4, bs-6)
7 Free Music Space 6
Date: 1978年5月26日
Location: 明治大学和泉校舎8番教室
performers:[火地風水](高橋 文子, 織田 淳子,
太田 弥生, 三上久美子), 佐野 清彦, 園田佐登志,
向井千惠,(多田 正美)(三浦 崇史)⋯
1 〜 3 Satoshi Sonoda [園田佐登志]
4 Kan Mikami [三上 寛]
5 〜 7 [Anonym]
…………………………
Review
By Volcanic Tongue
Artist: Satoshi Sonoda
Album: Everything Lies Beyond The Burning Summer Grasses: Early Works Of Satoshi Sonoda 1977-1978
Label: PSF CD
Dedicated to “Memories Of Yasushi Ozawa”, the late Fushitsusha bassist, Everything Lies Beyond The Burning Summer Grasses is a major collection of otherwise unreleased material put together by Satoshi Sonoda from the late 70s that provides an illuminating snapshot of the breadth and depth of the then-nascent Tokyo underground sound. Sonoda founded a student club at Meiji University dedicated to the appreciation of fringe and avant garde music and his ‘club’ functioned as one of the central pegs in the underground scene, attracting players like Yasushi Ozawa and Chie Mukai, both of whom make appearances on this CD. Sonoda was a formidable electric guitarist in his own right, influenced as much by rock groups like Free and The Jimi Hendrix Experience as Keith Rowe, Sonny Sharrock and Derek Bailey. This archival CD bundles a clutch of performances featuring or related to Sonoda: a series of different shows from Free Music Space/Free Music Revolt - a free-improvising ensemble along the lines of Group Ongaku/East Bionic Symphonia/Marginal Consort - and ANARkISS, a crazed punk/Velvets/avant garage group active on the Minor scene and featuring members of Gasaneta. The Free Music recordings are revelatory, combining fractured improv moves with endless repeat-riff boogie and almost Mazzacane-styled wrist action, conflating psych rock and outside modes with alla the genre-gobbling ferocity of the modern PSF aesthetic. The ‘77 material featuring Sonoda, Ozawa, Seigo Nakane and Mitsuhiro Ueda is particularly beautiful, a triumphal psychedelic groove inspired by the most iconoclastic rock guitar testimonials. In his excellent liners - full of touching memories of Ozawa - Sonoda asks for this track to be played at his funeral. Later Free Music tracks feature Chie Mukai of Tokyo acid folk group Che-SHIZUalongside some mysterious underground figures. But the real gravy may be the ANARkISS tracks, recorded live at the legendary Minor cafe in 1977. The three cuts are absolutely scalding, with crazed brokedown guitar, wretched gobble-punk vocals and a furious Kan Mikami cover providing one of the more persuasive distillations of the whole Minor ethos outside of the Gasaneta and Noise CDs. A vital addition to your Japanese underground shelf: highly recommended.
http://www.volcanictongue.com/tips/show/139(dead link)
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後期不失者のべーシスト“小沢靖の思い出”に捧げられた「すべてはもえるなつくさのむこうで」は、園田佐登志によって編集されなければ発表されることがなかったであろう貴重なコレクションである。これらの音源は、1970年代後半以降に黎明期を迎えようとしていた東京のアンダーグラウンド・ミュージックが有する幅広さと奥深さを照らすスナップ写真を私たちに見せつける。園田は明治大学に於いて、実験的、前衛的な音楽を批評するサークル([現代の音楽ゼミナール]=[現音ゼミ])を作った。彼の[現音ゼミ]はアンダーグラウンド・シーンにおける評価基準の一つとしての役目を担い、このCDに登場する小沢靖 や向井千恵のようなミュージシャンを惹きつけた。園田自身はなかなか優れたギタリストで、フリーやザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのようなロック・グループだけでなく、キース・ロウ、ソニー・シャーロック、デレク・ベイリーにも影響を受けている。アーカイヴ的なこのCDは園田にスポットを当てた、あるいは彼に関係するパフォーマンスの数々をまとめた1枚だ(以下はこのCDの主な聴きどころである)。
─ フリー・ミュージック・スペース / フリー・ミュージック・レヴォルトからの様々なライヴのシリーズ。─ グループ・音楽、イースト・バイオニック・シンフォニア、マージナル・コンソートと同系統のフリー・インプロヴィゼーションのアンサンブル。─ ガセネタのメンバーをフューチャーしたANARkISS。当時のマイナー音楽シーンで活発だったパンクでアヴァンでヴェルヴェッツを思わせる気違いじみたガレージサウンド。前半のフリー・ミュージックのレコーディングは、絶えずくり返されるリフのグルーヴとMazzacaneスタイルに良く似た手首の動きに断片的な即興の動きを結び付け、サイケデリック・ロックや流行から外れた音楽と現在のPSFレーベルの美学、即ちあらゆるジャンルを呑み込む凶暴性とを融合させる。園田、小沢、中根清吾 、上田みつひろをフューチャーした1977年の音源(〔poly-Performance〕〔Everything Lies Beyond The Burning Summer Grasses〕)は、偶像破壊的なロック・ギターへの礼賛によってインスパイアされた誇り高きサイケデリックのグルーヴ感を醸し出し、とりわけ美しい。園田自身による小沢の思い出に満ちた素晴らしいライナーノーツの中で、彼はこのトラックは自分自身の鎮魂でもある旨を記している。後の方に収録されているフリー・ミュージックのトラックは、謎めいたアンダーグラウンドの人物たちと並ぶ、東京のアシッド・フォーク・グループChe-SHIZUの向井千恵を含むバフォーマーたちに着目したものである。しかし、伝説的な吉祥寺・マイナーでの1977年のライヴを録音したANARkISSこそが本当に素晴らしいトラックと言えるだろう。3つのトラックは非常に痛烈で、狂気に満ちた壊れたギター、実に不快な喧音を立てるパンク・ヴォーカル、怒り狂った三上寛のカヴァーは、ガセネタやノイズ系CDの範疇を超えた‘マイナー’精神の精髄を説く。これは日本のアンダーグラウンドCD棚に加わる強烈なCDだ。強く推薦したい。
(日本語訳 / 小萩太郎)
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Dusted Reviews
Review date: May. 15, 2009
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As a general rule, I think we can all agree that tribute albums are not a good thing. Somehow the idea of demonstrating a songwriter’s genius by recording invariably inferior versions of his or her songs has never made a lot of sense. Thankfully, this CD is not a tribute per se; in fact, the artist in question doesn’t even appear on many of the songs. Instead, this is just what it says: an evocation of memories. These early recordings by guitarist Satoshi Sonoda are his way of recognizing the impact that Yasushi Ozawa had on his life: "to document precisely the kind of sound-world that was invoked in my through my meeting with Yasushi Ozawa," as the liner notes say.
Ozawa was a longtime fixture of Tokyo’s avant scene whose passing last year at the age of 50 was a sad surprise. While best known for his role as bassist in Keiji Haino’s out-rock band Fushitsusha, he was a participant since the 70s in groups such as East Bionic Symphonia, Marginal Consort, and many others. I was fortunate enough to meet him on a few occasions and he was a quiet, self-possessed artist.
The notes in the booklet are filled with reminiscences by Sonoda of the late 70s scene in Tokyo. Legendary venues like Kichijoji’s Minor and Meidaimae’s Kid Ailack Hall are mentioned together with people like reed player Takashi Miura, and members of Gaseneta and East Bionic Symphonia. The biographical notes are also a fine contemplation of the changes in life that can be caused by meeting a single person -- in this case, Ozawa’s influence on Sonoda’s life through introducing him to people, places, and sounds.
The seven tracks are taken from five sessions, all recorded live in 1977 and ‘78. Stylistically there’s a lot of variation, from the opening "Free Music Space 1" and its slow, spacey psych to rough folk to free scronk. The two longest pieces, "Free Music Revolt (Rehearsal)" and "Free Music Space 6", are free-form jams that cover a lot of territory. The former includes Ozawa on bass, Mitsuhiro Ueda on drums, and SeigoNakane on violin, and progresses from an initial spacey scrapiness through sparse, near-silent moments to an intriguing rhythmic segment based around a repeating bass and pizzicato violin motif, with a slow guitar lead over the top. From there it gets crazier and more abstract. "Free Music Space 6" closes the CD with twenty minutes of free-form plunk and squeak, squawk and howl, featuring a large cast of characters including Chie Mukai and Takashi Miura. The three ANARkISS songs, live at Minor in 1977, are quite different, raw punky emotions and rough folk-strum and free-spazz, including a version of Kan Mikami’s "Piss-soaked Lake", a song with special meaning for Sonoda as explained in the liner notes.
I think that Sonoda wisely and correctly recognized that the greatest tribute to Ozawa would be to recognize and affirm the sort of personal impact he had on the world. This document reconstructs, to some extent, the milieu of thirty years ago and places Ozawa with Sonoda and others as they experiment with the time’s musical possibilities. To quote again from the liner notes: "It is also an attempt, as Ozawa put it, to take this world you’ve encountered, and throw it back at one you have yet to encounter." We’re in the latter, and fortunate to have the opportunity to listen to the former.
http://www.dustedmagazine.com/reviews/4994
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blogarchive 〜[椅子物語](chairs story)
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/20160909/1473401180
(2022.12.20)
芦川 聡(1953-1983)/ 遥かなる思い
不慮の事故により30歳の若さでこの世を去った芦川聡さん(1953-1983)。
『椅子物語』から、彼のことに少しでも触れたフライヤーやパンフレットを拾い上げてみた(書き物のたぐひは機会があれば 別記したい)。
ご本人に限らず、吉村弘さんや服部達雄さん、佐藤紀雄さん、崎元譲さんら作曲者、各演奏者…に関わる録音物については、関係者による積極的な"活用"を期待したい。
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芦川 聡(1953 - 1983)
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[フライヤー][オープンリール][CD-R]
Title: MUSIK 21公演#4
Date: 1976/05/04(Tue.)
Location: 青山タワーホール
Composer: 谷中優, 津久井進, 村瀬重夫
Guest Performance: ”ROACH” 芦川聡 plus 浜田俊一
Performers: 長谷川修, 田代美香子, 佐藤紀雄, 薗智子
Fee: ¥1,000
〔体裁〕B5
録音時間: 90分
備考: Ⓟ芦川聡 / * 浜田俊一”ROACH”については76年9月発行の「HOT BREATH」のパンフレットに記載がある。 👇
Link(flyer): http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20101215194743
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[パンフレット(小冊子)][コンパクトカセット][CD-R]👆👇(*参照 Leaf - Text)
Title: SERIES「HOT BREATH」
Date: 1976/09/24(Fri.), 09/25(Sat.), 09/26(Sun.), 10/16(Sat.),10/17(Sun.), 11/26(Fri.), 11/27(Sat.), 11/28(Sun.)
Location: キッド・アイラック・ホール
Performers: 佐野清彦+ただまさみ - 協力: 曽我傑(9/24), イースト・バイオニック・シンフォニア(9/25), 池村清冶(9/26), 浜田俊一(10/15,12/26), 蔦木栄一(10/16), 服部達雄(10/17), 峰岸政春(11/27), 森川秀賢(11/28)
Planning: 実行委員会事務局
Fee: ¥500
〔体裁〕A4×6p
備考: 録音は9/25のバイオニックのみ。
広告: 吉祥寺「ミラージュ」(プログレ系ライヴ喫茶), 田村画廊, 真木画廊, 美学校小杉武久音楽教場, ART VIVANT, Pied Piper House, ALM Records(割れた鏡または化石の鳥-吉沢元治 / Disappointment-Haterma - 土取・坂本 / なしくずしの死-阿部薫)
Link(パンフレット):
(表紙) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20161117193908
(p.2) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20161117190903
(p.3) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20161117190848
(p.4) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20161117190832→ https://bit.ly/3BVsL9R / *浜田俊一 OPEN SYSTEM "ROACH" circumcision 👆
(p.5) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20161117190818(p.6) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/201611171908
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[オープンリール][CD-R]
Title: 吉村弘 作品集
Date: 1970年代
Location: 不明
Contents: ハーモニカ協奏曲, 筝曲, 三絃独奏曲, 三絃,フルート, オーボエ, 弦楽合奏 Performers: 不明
録音時間: 60分
備考: ハーモニカは崎元譲。三絃は西潟明子だろう。Ⓟ 芦川聡
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[コンパクトカセット][sleeve][CD-R]
Title: No.770303
Date: 1977/03/03(Thu.)
Location: AZ-5 Electronic Studio
Performers: member of A.T.G.C. 〜 大山記糸夫 (sax), 戸川昌平(guiter, harp), 芦川聡 (syn), 吉田秀樹 (mixer) ほか
録音時間: 90分×1P
備考: Ⓟ小沢靖(?)
Link: (sleeve) http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20160206173417
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[パンフレット][コンパクトカセット][CD-R]
Title: Free Music Rev. vol.2
Date: 1977/04/30(Sat.)Location: 明治大学和泉校舎6番教室 Performers: 服部達雄(vn)・芦川聡(syn)Duo, Lunatic Area(園田佐登志-elg, 小沢靖-eb, 中根清吾-vn, 上田みつひろ-ds), くろかわつねみ, Percussive Unity(小幡亮-per, 中井正之-elg, 小沢靖-eb)Planning: 明治大学 現代の音楽ゼミナール Fee: ¥300 録音時間: 60分× 2p
備考: ライン録りのためか、録音レベルは低い。小沢は企画が立ち上がってからPercussive Unityでベースを弾くようになったのかもしれない。いずれにせよ最初期のプレイだろう。
Link(パンフ表紙): http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110613122545
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[フライヤー]
Title: EXPERIMENTAL PERFORMANCE「HOT BREATH」
ライヴドキュメント / エレクトロニクスメディアと現代美術のイベント
Date: 1977/07/17(Sun.), 07/23(Sat.), 7/24(Sun.), 7/30(Sat.), 7/31(Sun.)
Location: 横浜・コンノアートサロン(7/17)/ 明大前・宇宙館1F ライヴスボット〔自転車屋〕(7/23, 7/24, 7/30, 7/31)Performers: 芦川聡, 服部達雄, 松本清, 峰岸政春, 蔦木栄一, 池村清治, 浜田俊一, ATOMON−1, 関口孝, 松村墓安
Fee: ¥500 / ¥200+1drink
〔体裁〕B5
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110606174316 → https://bit.ly/3jbPnfU
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[フライヤー]
Title: HOT BREATH 地下室にひそむ魚たちの熱い吐息[実験室とメディアの箱]
Date: 1977/09/10(Sat.)18:00 〜 09/11(Sun.)06: 00オールナイト12時間イベント
Location: 宇宙館(京王線 明大前下車) Performers: 芦川聡, 有田数郎, 上原和夫, 鈴木昭男, 関口孝, 服部達雄, 松本清, 峰岸政春, 村松基安, 吉村弘(音楽)/ 池村清治, 沖啓介, 蔦木栄一, 吉岡宣孝(イベント・美術)/ 城之内元晴, 中内正明, 白鹿マサル(イベント・映像)/ 高橋信也(演劇)/ 辻村久美子(舞踏)
協力: サトー・オーガニゼーション, 小島録音, 宇宙館, B・A・S
Fee: ¥800 / 600)出入り自由
〔体裁〕A4
備考: 特別出品としてマルセルデュシャンの「アネミック・シネマ」、クレス・オルデンバーグの「パットの誕生日」、アンディ・ウォーホルの「ニュー・アート」フルクサス ほか.
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20101215183328
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[コンパクトカセット][CD-R]
Title: 北村昌士, 竹田賢一, 園田佐登志による「レコードコンサート」後のセッション
Date: 78/08/13(Sun.)
Location: 吉祥寺マイナー
Performers: 竹田賢一(大正琴), 向井千恵(胡弓etc), 園田佐登志(vo,gtr), 小山博人(electronics), 小沢靖(bs), 大里俊晴(bs, voice)+浜野純(gtr)デュオ
録音時間: 35分
備考: 最初の企画は店長の佐藤さんと相談しながらOMNI-PRODUCTIONで練ったようにも思う。芦川聡さんらとともに、今後定期的にそれぞれがマイナーでレコードやテープコンサートを開いていくことになる。カセットの文字が小沢君なので彼に録音を頼んだに違いない。
大里・浜野デュオについてはディスク・ユニオンからリリースされた大里のCDアルバムに収録されている。
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[コンパクトカセット][CD-R]
Title: 佐藤秀
Date: 1978 or 1979
Performers: 佐藤秀
録音時間: 60分
備考: 1stデモテープ。1979年に拝受の記録あり。80年前後、阿佐ヶ谷の芦川聡さん宅に伺った際このテイクをお聞かせした。「体調を崩していた時に録音したらしいです」と言うと、「この音でそれはシンドかったろうね」という風なことを言われた事をよく憶えている。
参考Link(movie / image): 1978/11/25「FROM THE NEW WORLD」より
https://youtu.be/PH3Xt9r1qyQ(Part-1)
https://youtu.be/ewzC_9ghpwA(Part-2)
https://youtu.be/KJ1iYTnpxdo(Part-3)
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[フライヤー][コンパクトカセット][CD-R]
Title: 即興演奏のかたちそして方法
Date: 1979/06/08(Sun.)
Location: 吉祥寺マイナー
Performers: ワークショップ790608 ー 芦川聡, 佐藤隆史(FACTORY), 園田佐登志(第五列), 灰野敬二(不失者), 曽我傑(GAP)
Fee: ¥400 ドリンク自由¥150より
〔体裁〕A4
録音時間: 60分×2 / 30分×1
備考: 公開演習, ミーティング, ディスカッション, インプロヴィゼーション, イヴェント, パフォーマンスから構成されている。6月16,22,27日のイヴェントの告知もこの1枚のフライヤーに掲載されている。灰野・芦川デュオはレアーケースか?
Link(flyer): http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110717173532 → https://bit.ly/3uWRG91
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[フライヤー]
Title: 新しい音楽の方法と聴き方 ― 現代音楽のワクを越えて―
第1回「現代音楽への反省と諸問題」第2回「ジョン・ケージ(初期の作品をあつめて)」
Date: 1979/06/22(Fri.), 7/20(Fri.)
Location: 吉祥寺マイナー
Performers: 芦川聡(DJ, 解説)
Fee: ¥400
〔体裁〕B5
備考: 6/22の企画は別のフライヤーにも掲載。「西洋音楽の歴史に挑戦したといわれているケージ。彼が1930年,40年代にどのような作品を書き,何を考えていたのか?」(第2回)
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110113013426 → https://bit.ly/3uYjtpL
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[フライヤー]
Title: COMPOSER’S FORUM <6つの交響楽>
Date: 1979/07/02(Tue.)〜 28(Sat.) Location: 白樺画廊
Performers: *出展者 小杉武久, 津久井進 / 演奏: 佐藤紀雄(gtr, el.gtr), 薗智子(pf, elp, syn), 芦川聡, 沼沢慧, 吉村弘, 鈴木昭男
〔体裁〕B5
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110113013438 → https://bit.ly/3WoXKmr
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[フライヤー]
Title: 目的のない遊戯2
Date: 1979/11/06(Tue.)
Location: 中野文化センター
Performers: 野沢洋(pf), 武沢玲子(vl), 佐藤暁美(pf), 中村早苗(vib, mar), 河戸まさみ(fl)
Planning: 芦川聡, 河戸まさみ, 武沢洋, 武沢玲子, 中村早苗, 藤枝守
Contents: J. Cage《Experiences》(1945-48),《Experiences》(1945-48),《The Wonderful Wedow of Eighteen Springs》(1942), 副士則夫《Silica》(1977), 芦川聡《枯れた窓》(1979), 近藤譲《歩く》(1976), 藤枝守《虹の共振》(1979)
Fee: ¥1500(前売), ¥1800(当日)
〔体裁〕B5color
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110113013514 → https://bit.ly/3WsPamI
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[フライヤー]
Title: 戯れに, ピタゴラスの子供として…インターアクション No.1
Date: 1980/05/15(Tue.)
Location: 中野文化センター
Performers: 佐藤紀雄(g), 高田みどり(vib), 佐藤典夫(sax), 薗智子(pf) Contents: 若尾裕, 芦川聡, 津久井進, 吉村弘, 沼沢慧, 上原和夫
Planning (主催 / 問合せ): Interactive Co. / アール・ヴィヴァン,エレクトロニック・アート・センター
Fee: ¥1,800(1,500)
〔体裁〕B5横color
Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110113135237 → https://bit.ly/3hGn4pg
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[フライヤー]
Title: series 現代芸術の地平VOL.1[環境の音楽]/ 音の風景 あるいは共振する環境 Date: 1982/10/26(Tue.)〜 11/30(Tue.)
Location: 阿佐ヶ谷book in, 西瓜糖 Performers: 芦川聡 / 吉村弘 Contents: 芦川聡レクチュア〜環境の音楽(11/2), 芦川聡・江間一義〜音楽と映像によるパフォーマンス(11/2), 芦川聡・稲尾淳ほか〜音・環境・デザインをめぐって(11/16)
Planning: book in
Fee: ¥600
〔体裁〕A4
備考: 「まず「環境の音楽」というテーマをとらえる書籍を50点集めた。…「50冊の本」と音のデザイン。1ヶ月間、ブック・インは静かに共振する(芦川聡)。Link: http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110626141337 → https://bit.ly/3VlYlol
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[パンフレット]
Title: 第2回国際音楽フェスティバル手賀 '89
Date: 1989/10/01(Sun.)〜 10(Tue.) Performers(Contents): 上原和夫, 丸山亮, 太田曜, 島崎佳子, 一瀬晴美, 木村功, 菅原ひろ子, 大山麻理 , 黒沢賢二, 藤岡輝彦, 池野二郎, 飯村隆彦, マリリア, カクラバ・ロビ, カール・ストーン, 高橋悠治, リチャード・タイテルバウム, 吉沢元治, クリストファー・ブレズデル, 谷中優, 加藤瑶彩, ポイコ・ストヤノフ, 星野圭, 坪能由紀子, 星野圭朗, 芦川聡, 谷中優, ボイコ・ストヤノフ, こどもたち, ロバート・ヤノス, 山本和寿, 田々谷省三, トレヴァー・ウィシャート, 藤枝守, 田ヶ谷省三, 紫野さつき, 鈴木明男, 和田淳子, ロルフ・ユリウス, ポーリン・オリヴェロス, 五井輝, 幸村真佐男, マウラ・バイオッキ, 小山正巳, 楠野裕司, アルビン・ルシエ, 小杉武久, 作佐部潮, 八百坂力, 川口真央, 池田一, 菅木正印, 宮坂高弘, 直川礼緒, 松本秋則, 丸山常生, 島久幸, 有吉徹, 小田部黄太, 鈴木佐千夫, いづち治 , 山本美奈, 森井健人, 唐橋和子, 青木真奈美, 村上由紀, 菅井久美子, 岩田麻公子, 浜田紗綾香 ほか
主催: 我孫子芸術文化フォーラム, 我孫子市教育委員会
後援: ブリティッシュ・カウンシル, ブラジル政府, アメリカ大使館, 国際交流基金, 我孫子市
備考: ポーリン・オリヴェロス, アルビン・ルシエは初来日 とある。
Link:
(表紙)
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130606021146
(裏表紙)
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130606020118
・p.1 / 上原和夫 〜 挨拶
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212809
・p.2 / アート・プロジェクト イン 手賀 〜 主催, 後援, 協力
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212808
・ p.3 / 10.6 〜 フェスティバル前夜
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212807
・ p.4 / 10.7 〜 パフォーマンス・デイ: 丸山亮, 飯村隆彦, カール・ストーン, 高橋悠治, リチャード・タイテルバウム, 吉沢元治, クリストファー・ブレズデル
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212806
・ p.5 / 10.8 〜 子供と音と
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212805
・ p.6 / 10.10 〜 音楽と様々なメディアの出会い: 藤枝守+紫野さつき+和田淳子, ロルフ・ユリウス, ポーリン・オリヴェロス, 高橋悠治+リチャード・タイテルバウム+小杉武久
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212804
・ p.7 / 光学劇場,ビデオ・ミュージック・シアター, 飯村隆彦 作品集
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212803
・ p.8 / マリリア「RIVER GODDESS MARILIA」, カクラバ・ロビ「コギリの世界」, 音楽とコンピュータ
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212802
・ p.9 /子供と音......, 宮沢賢治・光の世界, ブルガリア - 東欧の音楽教育
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212801
・ p.10 / 坪能由紀子, 子どものためのコンサート I
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212800 → https://bit.ly/3hwE0yw
・ p.11 / 実践セミナー, 子供のためのコンサートII, 藤枝守+紫野コラボレーション, 鈴木昭男+和田淳子「鏡」
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212759
・ p.12 / ロルフ・ユリウス, ポーリン・オリヴェロス - 初来日, 五井輝
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212758
・ p.13 / マルチメディア・パフォーマンス, アルビン・ルシエ初来日公演, ライヴ・パフォーマンス
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212757
・ p.14 / 市民会館, 自然環境とアート
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212756
・ p.15 / WATER PIANO, WIND FISH, 作品1989, 水棺
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212755
・ p.16 / 手賀沼周辺におけるフィールドワーク, STONE CIRCLE '89, 我孫子アート・プロジェクト・イン 手賀
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130606020117
・ p.17 / 協賛, 広告
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212754
・ p.18 / 広告
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20130605212753
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blogarchive〔椅子物語〕(chairs story)
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/20160909/1473401180
(2022.12.15)
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【 篠田昌已(1958.12.8 - 1992.12.9)没後30年イベント 👉[関連ビデオ&フライヤ企画] 】
Monthly SHINODA Video & Flyer
[篠田ビデオ&フライヤ月間]- 1
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■【 篠田昌已 act 1987 - Masami Shinoda act 1987 】(1993, 2008/VTR/76分/Satoshi Sonoda)
- そもそも篠田没後一周年時の1993年に国立のキノキュヘで一度っきり上映されたMV[篠田昌已act 1987]であるが、生誕50周年を翌年に控えた2007年11月末、製作者の園田佐登志は、15年ぶりにその上映機会を窺っていた。さて、ところが、まさにその年の11月27日、篠田の次姉・佐竹美智子が、弟と同じ病のため他界していたことを知るに至り、当上映会を通年的に連続させることを企画する。然り而して、工藤冬里ら各地のミュージシャンとのライブと連動させながら、次第に全国上映会ツアーへと展開させていった。
【上映記録 】
https://chairs-story.hatenadiary.org/entry/20160907
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■ 1987年2月19日 / キッドアイラックホール 〜 Maher Shalal Hash Baz - 1
"Unknown"
8mmの昼食風景
"Lunch Scene in 8m/m Film"
固いケーキ / "Hard cake"
馬 / "Horse"
梅雨の仕事 / "Tsuyu No Shigoto"
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■ 1987年4月29日 / 代々木公園 - 特設ステージ 〜 "TULIP WATER PARADE"
TULIP WATER PARADE(Extract from "Masami Shinoda act 1987")
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■ 1987年5月2日 / キッドアイラックホール 〜 Ché-SHIZU ・シェシズ - 1
"Little Umbrellas"
まちかね
アイオーン / "AEON"
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■ 1987年5月22日 / 下北沢・パチンコミナミ会館 〜 長谷川宣伝社・楽隊
(Extract from ”Masami Shinoda act 1987")
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■ 1987年9月17日 / 吉祥寺 JAV50 〜 Maher Shalal Hash Baz - 2
休日の時計の唄 / "Clock Song on a Holiday"
アラムブラのヒマワリの種
サボテンゼリーの唄 / "Cactus Jelly Song"
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■ 1987年10月21日 / 新宿ロフト〜 天注組
Last Live - part 1
Last Live - part 2
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■ 1987年冬 / 国立葡萄園 篠田自宅周辺 〜 Takuya Nishimura / 西村卓也 FILM
(Extract from "Masami Shinoda act 1987")
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■ 1988年1月18日 / 新宿アンティノック
〜 Ché-SHIZU・シェシズ - 2
アイオーン / "AEON"
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■ 1988年5月3日 / 吉祥寺MANDA - LA2~ Pidgin Combo(Tom Cora, 篠田昌已, Luna Park Ensemble, 西村卓也)
竹に雀
"KLEZMER"
来た来た来た
"Gym"
"S1"
"Secret Dance"
"Total Preparation"
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■ 1988年7月2日 / 分倍河原 Babel 2nd 〜ピラルク 〜 Yoriyuki Harada, Masami Shinoda, Takuya Nishimura
"part - 1"
"part - 2"
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■ 1988年9月25日 / 吉祥寺 MANDA-LA2 ~ 篠田昌已ユニット
イーディッシ・ブルース / "YIDDISH BLUES"
"FIESTA"
"Orange from JAVA"
"NIKISHIIの朝"
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■ 1988年12月16日 / 東大駒場 北寮前広場 〜 A - Musik
"Nkosi Sikeleli Afrika"
歩きつかれて
ロンドンデリー
クレズモリム
マゾヒズムタンゴ
鳥の歌
サンチャゴに雨が降る
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★ 篠田昌已3分間 アラカルト(天注組 ON TV 〜 横浜国大緑地 1987)
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(※)演奏年代順にリンク先を記載。
表記に一貫性がないことをお詫びします。
(※)上記は篠田 58回目の生誕日の折facebookにあげたリストに多少手を加えました。
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◉ YouTube / vermilionsands0(Satoshi Snooda Channel)
http://www.youtube.com/vermilionsands0/videos
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【 2022年12月7日(水)、8日(木) 2Days 篠田昌已没後30年ライヴ開催!コンポステラ~星の広場で】(Fiesta de Compostela)vol.2
【 篠田昌已 没後30年イベント 】
我方他方 サックス吹き・篠田昌已読本: 2022-12-15 (共和国)
1990年前後を駆け抜けたサックス吹き、篠田昌已(1958-92)の再評価を企図した1冊。町田康、大友良英ら50余名執筆。
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■[篠田昌已 没後一周年企画]
[フライヤー][VTR][DVD-R]
Title: ACROSS THE BORDER LINE
Date: 1993/07/15, 16, 17, 18
Location: 渋谷クラブクアトロ
Date: 7月15日
Performers: 関島岳郎 / 中尾勘ニユニット, 林栄一・石渡明廣ユニット / KUSUKUSU /長谷川宣伝社 ほか
Date: 7月16日
Performers: TANGOS(EX. J AGTARA)/ 関島岳郎 / 中尾勘ニユニット / D・U・B / VIBRASTONE / ザ・フールズ ほか
Date: 7月17日
Performers: 清水一登ユニット/ 関島岳郎 / 中尾勘ニユニット / 原マスミユニット / ヘボ詩人の蜂蜜酒 / 渋さ知らズ / THE THRILL(有志)ほか
Date: 7月18日
Performers: 篠田ユニット / ハイポジ / LOVE JOY / A-MUSIK / 駒沢裕城 ほか
Planning: 火星旅行社
備考: Hi-8で記録
Fee: ¥2,000 4日間通しチケット¥8,000
Link(flyer): http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20110528141155
Link(movie):
長谷川宣伝社 part - 1(7月15日)
http://www.youtube.com/watch?v=HrWvWBbkktI
長谷川宣伝社 part - 2(7月15日)
http://www.youtube.com/watch?v=hyebhdnBp1g
(7月15日)
http://www.youtube.com/watch?v=qpI2u10hkx0
(7月15日)
http://www.youtube.com/watch?v=Riu3ZDvRrto
関島・中尾ユニット(7月16日)
http://www.youtube.com/watch?v=NOFvdzBGyMY
D・U・B(7月16日)
http://www.youtube.com/watch?v=WZOGmS9BU5o
中尾勘ニ・関島岳郎・桜井芳樹・久下恵生(7月16日)
http://www.youtube.com/watch?v=v4r2E5zR3RM
ヘボ詩人の蜂蜜酒(7月17日)
http://www.youtube.com/watch?v=VxrgC6gEWd8
関島・中尾ユニット(7月17日)
http://www.youtube.com/watch?v=i4iJ1-_nqZQ
篠田ユニット(7月18日)
http://www.youtube.com/watch?v=5mg_ZfKeTcU
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【 椅子物語 】(chairs story)
〔Contents〕
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/20160909/1473401180
〔Archives〕
http://d.hatena.ne.jp/chairs_story/
〔格納庫 / Sources〕
http://f.hatena.ne.jp/chairs_story/
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Monthly SHINODA Flyer & Video
[篠田フライヤ&ビデオ月間]- 2
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[フライヤー]
Title: マイナー「十時劇場」
Date: 1980/07/06(Sun.), 07/15(Tue.), 07/19(Sat.)
Location: 吉祥寺マイナー
Performers: Vol.1−ヤタスミ+篠田昌已(7/6), Vol.2−石渡○○+ヤタスミ(7/15), Vol.3−ヤタスミ+桜沢有理(7/19)
Fee: ¥300
〔体裁〕B5
備考: 誰かが撮った写真が残っているはず。
https://f.hatena.ne.jp/chairs_story/20221224134321 → https://bit.ly/3WowJ2Z